2023.01.11 【電子部品総合特集】立隆電子工業 呉志銘総経理 ハイエンド向けの開発を加速

呉 総経理

 コロナ禍にあっても着実に業績を伸ばしてきたが、2023年は成長率が減速すると予測する。ハイエンド市場に向けた新製品の開発や最適化した製造プロセスの改善に取り組み、これまで以上に安全で信頼される製品とサービスの充実を図っていく。

 市場別の23年業績見通しについて、民生機器市場は、多くの人々が過去2年間にノートパソコンやスマートフォンなどのデバイスを買っており、新たに購入する人たちは多くないはず。しかも、価格は非常に高い。こうしたことで民生機器市場での需要はさらに1~2年間は低迷が続くかもしれない。

 車載市場については、23年は22年と同程度の売り上げになると見込んでいる。21年には売り上げに占める車載関連の割合は12%であったが、22年上半期には16%、22年通期では約25%まで拡大した。インフレによる不安材料はあるものの、23年も伸びは続くと期待している。

 車載分野で売上げをけん引しているのは、デジタル・ダッシュボード、ADAS、OBC(車載用充電器)および充電システムで、旺盛な需要が続いている。

 もう一つの重要な市場は電源およびグリーンエネルギーの領域だ。21年には売り上げの20%を占めた。電力の配給問題と電気料金の高騰により、エネルギー貯蔵システムへの需要は増加する。また、5Gを軸とした通信およびネットワーク領域など情報通信分野の売り上げも拡大しており12%となっている。スマートファクトリーでも需要が期待でき、産業・医療分野の需要も見込んでいる。

 コンデンサー市場で優位性を保つため最適化した製造プロセスを構築し、設備および技術開発への投資を続けている。製造コスト削減を図り。同時に柔軟な納品オプションを保証。顧客に安全で信頼される製品とサービスを届けている。ハイエンド市場を注視し、顧客とともに顧客が期待する新製品を積極的に開発している。

 一方、当社は成長分野の需要に応えるため主力製品の生産能力の増強を継続。ハイブリッドコンデンサーの生産能力を22年11月の月産1200万個から22年末までに同2000万個、23年には同3000万個へ。チップ形アルミ電解コンデンサーの生産能力は22年の月産2・7億個から23年には同3億個にまで拡大させる。