2023.01.11 【電子部品総合特集】日本シイエムケイ 大澤功社長 プリント配線板への関わり継続
大澤 社長
当社は、信頼と実績の基板設計技術を基に、市場要求に応える積極的な開発などを進めている。社員の精神的・物質的幸福を追求するとともに自覚と責任をもって安全・安心な製品を製造販売し、存在価値を高め、社会発展に貢献している。
最近の開発品では、高速・高電圧・大電流といったニーズに対応。同一配線層に導体厚の異なる配線を配置した大電流基板に取り組んでいる。多彩なシミュレーション技術も特徴としている。
高密度実装対応では、15年以上の生産実績を積み上げた工程設計、品質管理で対応するビルドアップ配線板「PPBU」を開発。グローバル3拠点(日本・中国・タイ)から高信頼性の配線板を提供する。充実した試験・解析機器で信頼性評価を実施している。
ミリ波レーダーなど高周波対応の配線板では、低伝送損失化とともにアンテナ特性や信号品質を一層向上させた新工法を採用。異種材との複合構造にも対応する。
はんだクラック抑制配線板、コネクターレス、基板屈曲でコンパクト化可能なRigid-Flexシリーズも展開している。
高耐熱化・高電圧化の対応といった高機能化も展開している。高耐熱化では幅広い材料のスルーホール導通信頼性評価を行い、基材のバリエーションを充実させている。高耐熱対応のソルダーレジストをラインアップ。表面処理も耐熱向上タイプの水溶性プリフラックスを用意している。
大電流、高放熱化でも、かねて銅コア、銅ベース、内層厚銅など、金属複合配線板を供給。最近の傾向として、デバイス上部からヒートシンクや筐体(きょうたい)に放熱する従来の構造に対し、デバイス下部から基板を経由して筐体へ放熱する構造に変化していることを踏まえ、金属複合構造と併せ、高熱伝導タイプの有機材料を用いた基板開発を継続。層構成や基材、設計仕様設定に強みがある。
2020年には新潟工場内に開発拠点「CMKイノベーションセンター」を開設、「未来基板」実現へ向けて取り組みを推進している。SDGs(持続可能な開発目標)対応も強化している。
資源を効率的に使うとともに、環境保全を推進することもビジョンの柱の一つ。将来にわたりプリント配線板の開発製造販売を継続し、お客さまと社会の役に立ち続けていく。