2023.01.10 【製造技術総合特集】千住金属工業 低温ソルダリングの開発 実装業界に広く提案開始
小峰 統轄部長
千住金属工業は、はんだ事業の観点からカーボンニュートラルに貢献すべく、低温はんだを使用したフローソルダリングの製造プロセスを開発し、実装業界に広く提案を始めている。
小峰滋男営業2部統轄部長は「産業界でカーボンニュートラルに対する取り組みが加速する中で、実装業界でもCO₂削減に対する関心が高まっている。当社は『環境ビジョン2050』を策定し、企業活動における低炭素社会の実現に向けて取り組んでいる。その一環として、当社の顧客である実装業界に向け、低温はんだを使用したフローソルダリングの製造プロセスを開発、提供することで、顧客のカーボンニュートラルに貢献する」と話す。
はんだの融点が低いことは、はんだ槽の省電力化のみならず、装置の消耗低減などソルダリングのさまざまなプロセスにおいて好影響を及ぼし、その結果がカーボンニュートラルにつながる。
同社は低温(低融点)はんだ付け材料から、低温はんだに対応したフローソルダリング(ウェーブ方式)専用はんだ付け装置までをトータルで提供し、はんだ業界におけるカーボンニュートラルのリーディングカンパニーを目指す。
小峰統轄部長は「はんだ槽はSn-Bi系低融点はんだで発生しやすいドロスを低減し、基板に付着するドロス量を少なくする新たな噴流ノズルや、ドロスをフロー装置内で再利用する技術など、さまざまな開発を行ってきた。また、Sn-Bi系の流動性を改善するフラックスの開発により、このプロセスでの量産も可能になった。当社の提案が実装業界に受け入れられて、一部の家電製品で量産適用が始まった」と述べる。
同社は昨年10月に開かれた「名古屋オートモーティブワールド」(主催=RX Japan)の「名古屋カーエレクトロニクス技術展」に出展した。
今年は1月25~27日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第15回国際カーエレクトロニクス技術展」に出展する。同社が取り組んでいる、カーボンニュートラルに貢献する低温フローソルダリングの新技術、新製品を一挙に紹介する。