2023.01.10 【製造技術総合特集】NITTOKU モーター生産システム開発 関連企業との協業など加速

近藤 社長

 NITTOKUは、モーターはじめコイル自動巻線機で培ってきた制御、搬送、ハンドリングなどの技術をベースに、グローバルな「精密FAエンジニアリング企業」へと事業拡大を加速している。

 同社の2023年3月期第2四半期業績は売上高155億5300万円(前年同期比51.4%増)となり、海外比率が65%を占めた。近藤進茂社長は「アジアは台湾、香港、韓国を中心にモビリティー関連が増加し、ヨーロッパはモーター関連の引き合いが盛況で、前年同期比約2.6倍に増加した。ヨーロッパは当社のEVモーター向けの巻線機が技術的にも品質面でも高い評価を受けている」と話す。

 同社の海外拠点は中国、東南アジア、欧米など約15の国・地域に拠点を設けているが、22年4月にシンガポール法人の100%子会社としてベトナムにも拠点を設けた。近藤社長は「ベトナムは世界各国の大手メーカーの製造拠点が集積しており、今後も旺盛な需要が見込まれる。中国のリスク回避から生産をシフトするケースも多い。現地でのフォローアップ体制を整え、シンガポール、タイ、中国、マレーシアなど周辺国を含めてオールNITTOKUで受注拡大を図る」と話す。

 同社は海外の各拠点を顧客の装置導入時の立ち上げ支援、メンテナンス、顧客に合わせた仕様変更などの機能を備えた「マイクロファクトリー」として運営している。韓国についても体制強化を進め、メキシコは23年に3カ所の拠点を集約する形でマイクロファクトリー化を進める。

 近藤社長は「これから電動化の時代。モーターが不可欠になる」としてモーター事業を強化し、モーター開発を行う新会社の設立や古河電工とのEVモーター生産システムの共同開発など、関連企業との協業を加速している。

 コイル自動巻線機のコア技術を応用して生産ライン用搬送システム「LITs」を自社開発。同システムをさらに進化したFAプラットフォーム「FLEX-1」を製品化し、同システムと同プラットフォームをベースに独自の技術や製造ノウハウがあるユニークな企業とのオープンイノベーションを進めている。