2023.01.18 【情報通信総合特集】内田洋行 大久保昇社長
人とデータ時代の支援を加速
2022年7月期(21年7月から)にスタートした中期経営計画は、顧客の「人」と「データ」への投資を支援することを掲げた。公共や民間で進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現にはデジタル化を目指すのではなくデジタル化によるデータの蓄積と人による変革の推進が不可欠だ。中計2年目は人とデータの時代に合わせた支援を加速させる。
長年ICTを活用し教育や企業の現場の変革を進めてきている。教育ではGIGAスクールで導入したICT機器の利活用を支援。民間はオフィス環境とICTを組み合わせて従業員の生産性を高めてきた。従業員自らが働く場所や時間を選ぶ「アクティブ・コモンズ」を提唱し、この一年は出勤とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークを提案している。
こうした取り組みが評価され、22年は自治体との事業連携協定を多く結んだ。教育関連ではさいたま市や埼玉県鴻巣市と、スマート福祉では大阪府と連携協定を締結。ユニークな協定では京都市などと北山杉の利用促進協定を結んだ。この先も自治体や地場企業、パートナーと連携しDXを強化していきたい。
23年はデータと人に着目した支援を強化しデータ駆動型社会の実現に貢献する。教育では学校ICTの利活用をさらに支援する。学習eポータル「L-Gate」を軸に生徒、児童、教員がつながる教育基盤を提供するとともに、締結した協定を中心に自治体のDX支援に取り組んでいく。
企業向けではハイブリッドワークを実現する独自の「スマートオフィスナビゲーター」を使った支援を強化。昨年はオフィスでの働き方の新コンセプト「Team Base」を打ち出した。アクティブ・コモンズの考え方を基にチームワークを効果的に実現する場を提供していく。
地方企業の基幹システムなどへの投資も回復しつつあり食品や建設業界の投資も堅調だ。電子帳簿保存法改正やインボイス制度の対応も確実に支援したい。独自の基幹システム「スーパーカクテル」シリーズを前面に中堅中小企業のDX化に取り組んでいく。