2023.01.18 【情報通信総合特集】東芝テック 錦織弘信社長
ベンダーからソリューションパートナーへ
2022年は、半導体不足や原材料の高騰など厳しいビジネスの中でデジタル化、DXが本格化した。23年はデータの利活用が加速する。
当社は、中期経営計画(22年中計)で①共創エコシステムのさらなる進化②データを利活用した新たな価値の創出③グローバル総合力の最大活用によるリテール事業の成長④ワークプレイス事業のさらなる収益基盤強化―を重点テーマとして取り組んでいる。
当社の最大の強みは、グルーバル拠点64社、世界ナンバーワン、国内約5割のPOSシェア、世界で約120万台が稼働するMFP(複合機)などのタッチポイントを持っていることにある。昨年10月には、電子レシートサービス「スマートレシート」の会員数が100万人を突破した。こうしたアセットをベースに、廃棄ロスの削減、CO₂の削減、人手不足対応、販売機会ロスの削減などの社会課題を解決していく。
22年は、トライアルグループのRetail AIと戦略的連携によるカートPOSをはじめ、小売業の人手不足や効率化などに対応するため、フルセルフ、無人店舗など〝新しい買い物体験〟などに取り組んだ。また、デジタルガレージ、カカクコムとの3社で、飲食・小売業界のDX推進に向けた基本合意書を締結。戦略パートナーシップをさらに拡充していく。
昨年9月には、米子会社が米・ダラスに開発拠点を開設した。25年には現状の約5倍の数百人規模の開発体制の構築を目指し、日米でのシームレスな開発体制を構築していく。グローバルリテールプラットフォーム「ELERA(エレラ)」の事業開発をはじめ、マイクロサービスを含むクラウド関連の開発などを行っていく。
中計では「共創による新たな価値創出、グローバルトップのソリューションパートナーへ」を掲げた。23年は「ベンダーからソリューションパートナーへ」を最大のテーマとして取り組む。当社の最大の強みであるアセットを生かし、データの利活用によるソリューションを提供し続けるソリューションパートナーを目指していく。