2023.01.18 【情報通信総合特集】OKI 加藤洋一執行役員

〈ソリューションシステム事業本部副本部長(特機システム事業部)〉

海洋データプラットフォーム構築

 OKIは、「中期経営計画2022」で、「社会の大丈夫をつくっていく。」をキーメッセージに掲げている。特機システム事業部では、主に海洋分野に注力し、成長戦略を推進している。昨年4月には、海洋音響関連事業の拡大を図るため、グループ会社を経営統合し、OKIコムエコーズを設立した。

 当事業は、当社が防衛関連事業で長年培ってきた海洋・音響など、さまざまな特徴ある技術を民間企業に適用(スピンオフ)し、その成果をさらに防衛事業にフィードバック(スピンオン)することで、防衛、民間のお客さまの課題解決を担っている。

 成長戦略として、海から陸・空への事業領域の拡大、デュアルユース製品(民生用にも防衛用にも利用できる製品)のグローバル展開、環境問題を解決するトータルソリューションの提供に注力している。ソナー、ソノブイ、情報通信事業に加え、航空機用コックピット液晶ディスプレーなどの防衛分野、デュアルユース製品の海外展開などに力を入れる民間航空分野、海洋開発分野、船舶・民間特機分野の4分野を適用分野としている。

 昨年4月に横河電機から航空機用計器事業を譲受、エアバス向けなど空の分野での民間事業の強化を行っている。また、コア技術に基づく事業をスピンオフ・スピンオンし、防衛・民間事業の質・量を拡充、グローバル展開を視野に入れ事業を推進している。

 環境問題には、三つのステップで取り組んでいく。現在、技術開発の推進や市場参入の機会創出のステップ1から、当社が強みとする光ファイバーセンサーによるセンシング技術による海洋モニタリングの実践のステップ2に進んでいる。ステップ3では、当社の保有するセンサー、水中音響処理技術、海底ケーブル敷設、情報通信技術などを活用し、海洋資源開発や海洋インフラ保全などに必要な海洋データプラットフォームを構築、海洋を中心とする課題解決に貢献していく。

 次の「2025中計」では、事業展開フェーズに入り、26年以降事業拡大を加速させる。