2023.01.19 三菱電機、CESで初形態の展示 総合力でアピール

ロボットなどが目をひく三菱電機のブース

 米ラスベガスで今月あったCES2023。三菱電機としてはこれまで、自動車関連を中心に、部門としては出ていたが、総合的な形では初出展。車載関連などの集まる一角の一等地に構えた。

 大家正宏上席執行役員に、今回の狙いや今後の事業戦略などを聞いた。

 「2021年に企業理念の体系を改定していて、それをもとにした企業戦略などの展示を構想していた。日本ならCEATEC、海外でならやはりCESでアピールしようと、本格的に総合展示の準備で臨んだ」という。 昨年も準備をしていたが、コロナ禍でバーチャル出展に切り替えた経緯がある。

 昨年、サーキュラーエコノミーなど五つの社会課題を掲げた。「それに貢献する技術・ソリューションとして、三菱電機は何をする会社なのかを明確に定義し、最新内容とともに提示した」

 留意したのは訴求方法。「コンセプトだけでは伝わらないし、製品とセットし、見る方々に腹落ちするよう工夫した」と話す。目に見える形にはしにくいインクルージョンなどは、デモ画面やブースのプレゼンを通じて訴えた。「手応えは率直に言って予想以上。大変ありがたい」。

 特に反応が強かったのは、ロボットや、ドローンを使った配送のインフラなど。「スタートアップの来場者も多かった。新しいパートナー探しの意味でも有意義だ」とみる。

北米市場に力

 北米市場では、空調やFA、エレベーター、エスカレーター、鉄道、インフラ系などハードだけではなく、データ関連ビジネスにも取り組んでいる。

 「特に伸びが大きいのがエアコン。日本の製品は静かで、インバーターを使い、ダクトレスでセパレートできるものだが、これが一般家庭でも伸びてきている」という。

 こうした中で意識するのが、部門横断的な取り組み。「個別の製品の目標は置きつつも、シナジーをどう出し、それを通じて三菱の存在感を高めていくか」を思い描く。たとえば「FAや空調、UPSといったものに横串を通し、顧客にセットで提起できるよう心掛けていく」。

 (20日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)