2023.02.08 【コネクター総合特集】携帯端末用コネクター ハイエンドスマホ用など開発活発化
USB4バージョン2.0対応USBタイプCプラグ
コネクターメーカー各社は、スマートフォンやタブレット端末、ウエアラブル端末などの高機能携帯端末向けの小型・高性能コネクターの開発に力を注いでいる。
世界のスマホ市場では、第5世代移動通信規格5G化を背景に、端末の高機能化が進んでいる。さらに、ハイエンド機種を中心に、ミリ波対応スマホの市場も本格化していく見通し。5G化による端末の高機能化は、接続ポイントの増加を促し、同時に、機器内部の高密度実装化が一段と進むことから、内部搭載部品への小型化要求は一層強まっている。電流容量増大への対応や、完全防水へのニーズも強い。コネクター各社は、これらを踏まえ、次世代ハイエンドスマホ向けの内部接続用やインターフェース用、大電流対応コネクターなどの開発を活発化させている。
内部接続用では、基板対基板コネクターやFPC接続用コネクターの一層の小型・低背化・省スペース化が進む。基板対基板用は、0.4/0.35ミリピッチなどの狭ピッチ品のバリエーション拡充が進み、嵌合(かんごう)高さ0.5ミリメートルの超低背構造の0.4/0.35ミリピッチ基板対基板コネクターなどが開発されている。よりファインピッチの0.3ミリピッチ基板対基板コネクターも一部のスマホなどで実用化されている。
FPC接続用は、0.3ミリピッチFPCコネクターの低背化や省スペース化追求とともに、より狭ピッチの0.25ミリ/0.2ミリピッチ品開発も進展。千鳥形状の0.175ミリピッチFPCコネクター開発なども進んでいる。
5Gスマホ向けでは、マルチRF対応の基板対基板コネクターによる、セットの小型化と生産性向上などが提案されている。
最近のスマホは、内蔵バッテリーが大容量化し占有面積が増加しているため、電池以外の端末内蔵部品は小型化要求が一層強まっている。コネクターの狭ピッチ・低背・省スペース化では、接触信頼性、機械的強度、作業性などの面で従来品と同等性能を確保できる設計が不可欠。
情報端末向けのデジタルインターフェース用では、急速充電用の給電規格「USB PD(パワーデリバリー)」対応や、高速規格「USB4(最大データ転送速度40ギガbps)/USB4バージョン2.0(同80ギガbps)」対応の製品開発が進んでいる。
ウエアラブル機器用は、スマートウオッチやワイヤレスイヤホン、スマートリングなどの内部接続用に、超小型・少極コネクターなどの開発などが進んでいる。スマート衣料向けコネクターなども製品化されている。