2023.02.10 【電子レンジ/オーブンレンジ特集】IoT機能で使い勝手が進化
おいしく、手間なく調理したいというニーズが強まり、堅調な需要が見込めるオーブンレンジ
電子レンジ/オーブンレンジは、ライフスタイルの多様化により、料理などの家事負担が増加していることを背景に、簡単においしく調理できる利便性が支持されている。近年はIoT機能対応で、幅広い料理の自動メニューを後からダウンロードできるなど、使い勝手が進化しており、今年も安定した需要が見込まれている。
コロナ禍で在宅時間の増加や内食化の浸透で、電子レンジ/オーブンレンジの需要は伸びた。コロナ禍以前から、共働き世帯の増加で、料理や掃除など家事負担が大きくなり、家事の省力化へのニーズが高まっていたが、コロナ禍でより顕在化することになった。
現在、ウィズコロナの段階に入っても、例えば勤務形態が在宅と出勤のハイブリッドになるケースも多く、家事時間の増加や生活のオン・オフの切り替えができないなど、家庭でのゆとり時間は減り、家事負担が増えていることには変化はなく、家事時間の短縮が課題となっている。
家庭での調理は、本来なら手作りで栄養に富んだおいしい食事を取りたいというのが誰でも考えることだろうが、ライフスタイルの多様化に伴って、手間なく簡単に、おいしく料理を仕上げたいというものに変わった。
パナソニックでは、コロナ禍を機に自宅での食事に変化があったかを調査(2021年5月インターネット調査/20~60代男女n=826)したところ、「自宅での食事をより楽しむようになった」が42.0%とトップに挙がった。一方、「自宅での食事づくりの効率化をするようになった」が17.7%と3番手に挙がっており、自宅での食事は楽しみたいが、より効率的にしたいという人が増えていることが分かる。
こうしたことから、電子レンジ/オーブンレンジをはじめ、自動調理鍋や高級炊飯器など調理家電への関心は潜在的に強いものがあるはすだ。コロナ禍で調理家電が全般的に好調に推移したのはその証しだ。
■オーブンレンジの進化
家庭での手作り料理を簡単においしく食べたいというニーズに対して、オーブンレンジは時短調理・自動調理の充実やIoT機能との連携など、調理性能は年々進化している。
時短・省手間という面では、例えば食材の量が多くても少量でも、また冷凍や冷蔵、常温が一緒でも、皿に並べるだけで、後はボタン一つでメニューに合わせ最適に調理するといった調理機能が開発されている。
センサー技術を駆使して、最適に加熱制御できるため、調理はお任せの省手間を実現する。またボウルに食材、調味料を入れて、ボタン一つで調理する機能など、自動でおいしく、簡単に調理するハード的な進化は進んでいる。
冷凍食品のまとめ買いも多く、冷凍の食材を解凍なしでそのまま調理するなど、冷凍食品を上手に解凍、調理できる機能開発も進んでいる。
IoT対応レンジでは、食材の宅配サービスとの連携や新しいメニューの配信などソフト面での利便性向上で、買った後からでも機能が進化する。これにより、食生活がより豊かなものになり、ユーザーの使用満足度も高まる。
毎日の食事作りでの悩みの最たるものは献立を考えることであり、アプリから続々充実する新メニューをダウンロードできる。献立作りの参考になる情報も提供してくれるため、便利に使える。
電子レンジの市場は、22年度通期が好調だった昨年度より割り込みそうだが、日本電機工業会(JEMA)によると、22年暦年(1~12月)の出荷台数が353万4000台となり、過去10年の平均(330万4000台)を大幅に上回っており、高水準の販売が続いている。
パナソニックの主力製品「ビストロ」NE-UBS10A
簡単・時短でおいしく調理
パナソニックは、スチームオーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS10A(庫内容量30リットル)をはじめ、新製品の自動調理鍋オートクッカーやホームベーカリー、オーブントースターと「ビストロ」シリーズを充実させ、食生活の変化に対応し、手軽に「おいしい」を作り、豊かな食体験の提案に力を入れる。
スチームオーブンレンジのビストロは、「グリル皿調理」と「ワンボウル調理」を搭載し、日々の食事作りに簡単な手順や短時間で調理したいというニーズに応える。
NE-UBS10Aは、独自の「ヒートグリル皿」と新設計のアンテナ制御により、予熱なしの高火力で麺やご飯の蒸し焼きメニューを一度に4人分までムラを抑えて一気に調理できるなど、幅広いメニューへの要望に応え、料理のレパートリーを広げた。
■より高火力となった「グリル皿調理」
グリル皿調理は、裏面の発熱体により最高230度まで上昇する、独自のヒートグリル皿を活用して、大火力ヒーターやスチームとのかけ合わせで食材を加熱し、焼きもの・揚げもの・蒸しものからトーストまで調理できる。
新設計のアンテナ制御でヒートグリル皿の電波効率は従来モデル(2019年発売NE-BS2700)と比較して約1.6倍にアップした。これにより、これまで難しかった下段でも、予熱なしの高火力で調理できる。
下段を使うことから、庫内を広く使え、ボリュームある食材をスチームとかけ合わせ一気に蒸し焼きできる。フライパンでは一度にまとめて調理しにくい4人分の麺や、ご飯のメニューでも火加減を気にせず、任せっきりで調理できる。
消費が伸びている冷凍うどんでは、解凍せずに4人前の焼きうどんができるほか、人気の冷凍ギョーザもグリル皿に並べるだけで、しっかり焦げ目を付けて焼き上げる。
また、好評の「ワンボウル調理」では、エスニック料理を追加してレパートリーが広がった。ワンボウル調理は、高精細・64眼スピードセンサーで食材の分量を高精度に判定し自動で火加減調整しながら加熱できる。1人分のランチから4人分の夕食まで、耐熱ボウルに材料を入れて、あとは任せきりでおいしく調理できる。
IoT対応で忙しい日々でも手軽で豊かな食事作りをサポートする。「キッチンポケット」アプリと連携し、購入後も日々の献立に役立つ新しい自動メニューが増やせる。予約の取れない伝説の家政婦として人気のタサン志麻さん監修メニューも配信している。