2023.02.09 ドコモ・慶大・名工大、「人間拡張」で触覚を共有 名工や名医の技能継承にも
技術を解説する動画から
最近、さまざまな場面で開発が進んでいる「人間拡張」。NTTドコモと慶応大、名古屋工業大は、「人間拡張基盤」を活用し、モノに触れた時の触覚を、相手の感じ方に合わせて共有する技術を開発したと発表した。
視覚データ(映像)や聴覚データ(音)など五感のDXが進む中でも、触覚は最後の課題ともいわれ、メタバースでも注目されている。三者の技術は、相手の触覚に対する感度特性を踏まえて触覚を共有できる。世界初のものという。27日からスペインで開催の「MWC バルセロナ 2023」で紹介する。
圧電素子などセンシングデバイスや、振動子などアクチュエーションデバイスを活用。再現された触覚は、映像と合わせた形で共有される。
応用場面としては、たとえば医療や伝統工芸など、感覚を重視する技術がある。熟練の医師や技能工が感覚をもとに進める作業の触覚を保存し、それを遠方に伝えたり、後の世代の後継者らに伝えたりする、といった技能継承も期待できる。
また、通信販売などEコマース。洋服の手触りまで伝えるなど、従来の仮想現実では味わえない、よりリッチな購買体験が可能となるかもしれない。ゲーミングをはじめエンタメの場面での活用も可能性がある。
パートナー企業のさまざまなデバイスの相互接続も可能で、今後、付加価値向上に取り組む。