2023.03.10 MOXAが産業機器の接続課題を解決、シリアルからイーサネットに変換・簡単接続ソリューション
生産設備の通信方式の基礎であるシリアル通信
製造現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための第一歩は、現場の機器データを収集して、ネットワークで連携させ、現状を把握することである。そのためには、生産設備の通信方式に関する基礎を理解する必要がある。
製造業におけるシステム構成は図のような階層構造になることが一般的であり、企業システムを管理するIT部門と現場の生産設備を管理する現場(OT)部門と、管理部門が異なることも多い。
生産設備の通信方式は主にシリアル通信とイーサネット通信の2種類があり、近年ではイーサネット通信の採用も進んでいる一方、シリアル通信も一定の需要が続いている。
シリアル通信とはデータを1ビットずつ連続的に送受信する通信方式で、規格はRS-232C、RS-422A、RS-485の3種類があり、それぞれの特徴を生かす形で採用がされ、次の優位点が評価されていることが多い。
(1)信頼性が高い
データ転送が1ビットずつのシンプルな構造なため、信号が伝送路上のノイズなどによって変形しても、復調側で元の信号への復元が容易で伝送の信頼性が高い。そのため、機器やセンサーの信頼性が非常に重要である生産現場に適している。
(2)互換性が高い
シリアル通信は以前から工作機械、半導体機器などの先進技術マシンでも採用が続いている。多くの機器で広く採用されているため、開発資産の保護や互換性の観点から、引き続き新製品においてもシリアル通信技術を利用する機器が利用されることも多い。
一方で、イーサネットなどの高速な通信規格が現場のネットワーク構築に導入されつつあり、シリアルからイーサネットへの変換の課題を抱える生産設備設計者も多い。
この課題を解決することができるMoxaの「NPortシリーズ」は、シリアルからイーサネットへのコンバーターである。さまざまなシリアル通信規格をサポートし、シリアル機器をイーサネットネットワークに簡単に接続できるソリューションだ。
また、Moxaのプロトコル変換ゲートウェイ「MGateシリーズ」は、EtherNet/IP、Profibus、Modbus、CANbusやDeviceNetなどの異なる産業用プロトコルを相互変換して、異なる機器間の通信を可能にする。
Moxaはこのような手軽なシリアルソリューションで、産業機器の接続課題の解決を行っている。