現地に行かずにその場の感触

遠隔地の人が自分の代わりに動く

　十字キーの右ボタンを押すと右に動き、「もっとよく見せて」と言うと製品をつかんでさまざまな角度で見せてくれる－。toraru（神戸市中央区）が提供する「GENCHI（ゲンチ）」は、現地に行かなくても、遠隔地にいる人・ロボット・ドローンを画面越しに操作することで、移動の代替を目指すサービスだ。

　GENCHIは、ゲームのコントローラーのようなインターフェースでスマホやパソコン（PC）から操作する。GENCHIを使えば、海外展示会の視察も、交通費と時間をかけずにリアルタイムで気になる展示や製品を確認でき、さらにレスポンスが良く、現場の担当者に直接画面を通して質問ができる。

　西口潤社長は「移動距離が遠いほどGENCHIのメリットが出てくる。サービスの性質上、5Gのスペックは相性がいい」と話す。

　2月27日から3月2日までスペイン・バルセロナで開催された「MWC　2023」では、赤いポインターで相手に向きなどを指示できる新機能の実験を行ったほか、東京・浅草に待機したアバターを操作できるようにしたデモで、会場でひときわ話題を呼んだ。