車載など中国商材発掘、日本製商材も中国企業に拡大

　カナデンはエレクトロニクスソリューションズ・カンパニーとして、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に、国内だけでなく、海外でも中国・東南アジアを中心に事業を展開している。

　カナデン国際貿易（上海）は天津、深圳に分公司を置き、カナデン（香港）とも連携を図りながら、半導体・デバイスとFAシステムを主力に事業を行い、日系企業を中心に中国ビジネスの拡大に取り組んでいる。

　カナデン国際貿易（上海）の甲斐繁樹総経理は「中国政府のゼロコロナ政策からの転換で、人々の日常生活が一気にコロナ前の状況に戻った。ビジネスも出張などの移動が自由にできるようになった。景気は昨年半ば以降、低迷気味だが、中国の内需拡大や新技術支援策により、車載、社会インフラ、創エネなど今後の回復に期待するところが大きい。当社の主要顧客である日系製造業はチャイナリスクの懸念から投資に慎重な企業が多いが、一方で国内専用モデルの製品化に積極的だ。こうした需要も取り込みたい」と話す。

　FAシステムビジネスでは、シーケンサーやACサーボなどのコンポーネントおよび加工機の販売のほか、中国の配電盤メーカー・SIerと協業することで、従来の省エネ・自動化ソリューションの提案とともに、EV（電気自動車）関連顧客の開拓を促進している。省エネソリューションとして、三菱電機の電力可視化機器にも力を注ぐ。

　半導体・デバイスのビジネスは、主力の産業機器・OA機器・医療に車載分野を加えて展開。パワー系が多いが、ディスクリートをはじめ多様な種類を扱っている。

　中国商材の発掘にも注力し、既に中国リレーメーカーのトップ企業である廈門宏発電声（福建省）の製品を取り扱い、カナデン全社で販売している。

　甲斐総経理は「中国商材を発掘する一方で、日本製の商材を中国企業に広げる活動を強化したい。また、日系企業が中国国内向けモデルを製造するケースもあるので、その需要も狙いたい」と述べている。