2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社 中国営業戦略 たけびし
東 総経理
ローカル企業を開拓、〝面〟で日系企業をサポート
たけびしは2022年度の海外売上比率が24%に近づき、目標の25%まで間近となった。海外売上高は22年度で228億円を計画しており21年度の157億円から大きく伸びる見込みだ。中国拠点は上海、香港、深圳などがあり、グループ企業のシンガポールのリ・チャンプ社の拠点もある。竹菱(上海)電子貿易有限公司の東剛総経理は「リ・チャンプ社とのクロスセルを実施しながらローカル企業も開拓し、実績を伸ばしたい」と話す。
同社は06年設立。ローカルスタッフ11人の体制だ。日系の顧客のサポートを展開しつつ、ローカル企業の新規開拓にも取り組む。現在の日系企業とローカル企業の売上比率は5対5で、ローカル企業での実績も伸びている状況だ。
22年1~12月は増収増益を果たした。売上高は前期比1.7倍となった。上海のロックダウンで厳しい状況下、在庫の確保やローカル企業の開拓も行い、実績を高めた。
ローカル企業の開拓では、半導体製造装置関連企業や自動車関連企業などへの提案を強化。三菱電機製品のFA機器や自動化に対するニーズを引き出し、実績を伸ばした。「ローカル企業は着実に成果が上がり始めている。スタッフが一致団結した結果」(東総経理)。
23年は新型コロナ拡大の影響や春節などで落ち着いた状況が続いていたが、3月以降はコロナ禍の影響も少なくなり、対面での商談などが増加。案件も動き始めているという。これまでのリモートベースの商談では感じ取れなかったニーズや困り事を把握でき、4月以降の動きにも期待できるという。
4月以降は日系企業のサポートとローカル企業のさらなる開拓を推進しつつ、注力領域ではこれまでの取り組みに加え、リ・チャンプ社との連携を強化する。オールたけびしのサポート体制で、中国を「点」ではなく「面」でカバーしていく。
「同時に、オリジナル商品の提案やローカル企業の商材の拡大も視野に入れて取り組む。リ・チャンプ社とは顧客も商品もかぶらない。クロスセルで相乗効果を高めたい」(東総経理)。