2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社 中国営業戦略 立花エレテック

中村 MD

技術センターなど増強、拠点のローカル化でアジア市場の開拓加速

 立花エレテックは、海外子会社7社の持ち株会社「タチバナ オーバーシーズ ホールディングス(TOH、香港)」で中国、ASEANを中心に海外事業を拡大している。2023年度はウィズコロナ下で顧客の新しい技術開発、新しいモノづくりへの取り組みが進むとみて、技術商社の強みを生かした技術営業、ソリューション提案に力を入れる。

 半導体デバイス事業は、上海、深圳、マレーシア、バンコクの技術センターを増強し、現地の技術ニーズに応える。依然、パワー半導体のように品不足が続いているデバイスもあり、引き続き顧客へのCS向上に注力していく。

 FAビジネス事業も上海、深圳のFA技術センターの技術サポート力を日本の技術本部と連携して強化。昨年夏以降の設備投資抑制で主力市場の中国などが予想ほど伸びていないが、自動車や一般産業向けの設備投資需要にしっかり対応する。

 EMSビジネスは、伸びている民生、産機向け部品実装基板ビジネスを拡大。資材調達力を含めて製造委託先を見極め、日系のほか中華系など、アジアで幅広い製造委託先開拓を進める。

 TOHの中村喜則MDは「この3年間、お客さまは部材の確保や代替部品による設計開発、評価に集中してこられた。23年度は、いよいよお客さまが作りたいものを作り始められる年になる。顧客の要望をしっかり捉え、新技術、新製品を提案することがキーになる。1~6月の前半は中国などの景気減速の影響で生産調整、在庫調整があり、市況全体は伸び悩んでいるが、中国国内の景気刺激政策次第では7~12月の後半は実需が伸び市況は上向く」と予想する。

 中長期経営計画「NEW C.C.J2200」(21~25年度)において、TOHでコンスタントに年間3億ドルを売り上げる体制づくりを掲げた。拠点のローカル化を進め、アジアのローカルマーケットの開拓を加速。国内で築いた技術商社の地位を中国・ASEANを中心とする海外でも確立し、アジアの産業を支える一大商社を目指す。