2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社 中国営業戦略 サンワテクノス

勝亦 部門長

成都事務所を3月新設、LIB関連分野などに注力

 サンワテクノスの上海法人「珊華電子科技(上海)有限公司」は、電子部品・機電商品・加工製品を中心に、システム、設備に至るまで幅広い製品を取り扱う。OEM業務、技術サポート、アフターサービスも行い、日系進出企業やローカル顧客向けに付加価値の高いサービスを提供する。

 同法人は2001年に設立。順次、分公司を開設し、23年3月には「成都事務所」(四川省成都市)を新設した。現在、中国国内に12営業拠点と6カ所の倉庫を有している。19年には上海総部と機電中心を統合し、同一のビルに移転した。

 同法人のビジネスは、電子部門、機電部門、加工品部門で構成。電子部門は日系部品の代理店販売や基板実装、ハーネス組み立てなど。機電部門は主に中国ローカル顧客向けに、サーボモーターやロボット、インバーター、画像処理などを販売。加工品部門は、日系顧客向けを中心とした金属・樹脂加工製品の委託生産などを行う。加工品事業では協力会社へのQCパトロールを徹底している。

 同法人の22年度(12月期)売上高は、電子部門や機電部門などが堅調に推移した結果、約20億元に達し、3期連続で過去最高を更新。勝亦憲・上海サンワテクノス営業部門・機電部門長は、機電部門について「中国系装置メーカー向けに、安川電機製品を中心としたサーボモーター、インバーター、コントローラー、ロボットなどの販売、技術フォロー、アフターサービスを行っている。16人ほどのエンジニアも在籍し、技術サービスによる差別化を図っている」と話す。

 機電部門の自動化ソリューション例は、ダイカストスプレー自動化、射出成形自動化、ダイカストバリ取り自動化、視覚システム応用などがある。

 23年度の展開について、勝亦部門長は「中期経営計画に基づき、LIB関連や太陽光関連、半導体関連などの分野でのビジネス拡大に力を注ぐ。医療関係や農業、食品関連分野での新規開拓にも注力する。同時に、既存分野に対してもしっかりと取り組み、攻めと守りの両面での展開を図る」とする。