2023.03.29 【関西エレクトロニクス産業特集】 関西の最新分野別動向 次世代交通サービス
世界初方式のフルスクリーンホームドア
うめきた新駅に多彩な技術
自動運転バスなども進む
関西では次世代交通サービスの社会実装に向けた実証実験が進んでいる。自動車、鉄道など幅広い分野で展開。新たな技術で新しいサービスの創出を目指す。
JR西日本はかねて建設していた、大阪駅のうめきたエリアを18日に開業した。同社は新駅を「イノベーションの実験場」と位置付けており、多彩な技術、サービスを採用している。
ホームには世界初方式のフルスクリーンホームドアを導入した。新駅では2031年開業予定のなにわ筋線まで見据え、入線車種が多様になることを想定。フルスクリーンホームドアは、車種に応じて自在に開口を構成できるようにした。
改札口には顔認証によるゲートレスの改札機を採用した。チケットを必要としない、ウオークスルー型改札機を設置し、新しい移動の在り方を実証する。改札内のトイレではIoTやセンサーを活用。個室の満空表示だけでなく、せっけん水の残量表示などで清掃員の作業効率にもつなげる。
兵庫県三田市は、中型自動運転バスの実証実験を1月に実施した。障害物の検知やハンドル、アクセル、ブレーキ操作を自動制御するバス車両が市内のウッディタウン地区を走った。自動運転レベルは2。
循環ルート中の停留所を前回の15カ所から19カ所に拡大するとともに、公園近くの信号がない交差点を通過するルートをあえて設定した。
また、交差点における飛び出し検知などの情報を自動運転車両へ伝達するスマートポールについても実験を実施した。
通信機器を取り付けた多機能電柱のスマートポールを2台設置し、人や車の有無のデータを転送した。
大阪メトロ、JR西日本、近鉄、京阪、南海、阪急、阪神の関西鉄道主要7社は、関西地域の交通事業者間の連携を前提としたMaaS(Mobility as A Service)システムを共同で構築し、「(仮称)関西MaaSアプリ」を夏頃にリリースする。
アプリで関西地域のマルチモーダルでの乗り換え経路検索やチケットストア、観光施設紹介などのサービスをワンストップで利用できるようになる。複数の鉄道事業者によるMaaSシステムおよびMaaSアプリの共同構築は、国内初の取り組みという。