2023.04.11 キャッシュレス決済など小売りのDX 日本市場に海外勢が熱視線
オンの店舗のもよう
現金決済が多く、デジタル化が課題になっている日本の小売市場向けに、ソリューションやデバイスを展開する海外企業が相次いでいる。
各社が成長を見込むのがアジア、日本の市場。ネット技術の進化と普及、コロナ禍で多くの企業がオンラインを重視。キャッシュレスがこれから見込まれることが背景にある。
フィンテック・プラットフォーム企業のオランダのAdyen(アディエン)社は、オンラインと対面の決済を一体化した決済ソリューションを、スイスのスポーツブランドOn(オン)の日本店に提供すると発表した。
原宿からほど近く、おしゃれな店の並ぶ一角。店内にはレジがなく、すっきりした設えになっている。取引全体を一元管理するプラットフォームで、eコマースと実店舗のさまざまなカードブランドと決済方法に関する全てのレポートと請求書を、1レポートに集約。対面決済の端末も提供しており、グローバルで共通化できている。オンのストアリーダーの松尾僚介氏は「海外の店の応援に行っても、すぐ仕事ができます。レジの回りによくある、メモや付箋の山といった場面もなくなります」と笑顔を見せる。
世界最大の電子棚札企業の仏SES-imagotag(エスイーエス・イマゴタグ)も、日本・アジア太平市場への本格参入を発表した。日本法人を設立、グローバル5カ年戦略計画を打ち出す。「利益率を2~3%向上させられる」と呼びかける。
同社が展開するプラットフォームは、電子棚札やセンサーなどを活用し、商品棚とクラウドを接続。商品在庫と位置の正確な情報をリアルタイムで提供する。在庫、欠品、廃棄物を減らし、商品検索などより快適な買い物につなげる。「店舗側も、ピッキング準備や補充作業など、煩雑で付加価値の低い作業を軽減。スタッフは接客などに集中でき、働き手の満足度向上にもなる」と訴求する。
コンビニなどに浸透を図っていく構えだ。
(12日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)