政府は、国家または公共に対し功労のあった人に贈られる令和5年春の叙勲受章者を発表した。春秋叙勲候補者推薦要綱および春秋外国人叙勲候補者推薦要綱に基づき各府省などから推薦、内閣府において慎重かつ厳正な審査を行い、4月18日の閣議で、叙勲受章者4017人、外国人叙勲受章者104人をそれぞれ決定した。

　叙勲受章者は、旭日章863人、瑞宝章3154人。旭日章は、功績の内容に着目し、顕著な功績を上げた人、瑞宝章は公務などに長年従事し、成績を上げた人に贈られる。受章者の分野別内訳は、国会議員、首長、地方議会議員を対象とした公選職の分野で315人（7.8％）、企業経営者、民間団体役員、大学教授など教員、医療・福祉従事者、文化、芸術などを対象とした民間の分野で1895人（47.2％）、国の一般行政職、地方公務員などを対象とした分野で1807人（45.0％）。

　このうち、人目につきにくい分野などの受章者は1385人、女性の受章者は419人だった。

　業界関係の受賞者は次の通り。

叙勲受章者

　▽旭日重光章
　田中稔一（78）元三井化学社長＝東京

　中本晃（77）元島津製作所社長＝大阪

　濱口友一（79）元NTTデータ社長＝神奈川

　▽旭日中綬章
　田苗明（70）元田中貴金属工業社長執行役員＝千葉

　伝川幹（73）元讀賣テレビ放送社長＝東京

　服部眞二（70）現セイコーグループ会長兼グループCEO＝東京

　▽旭日小綬章
　河合輝欣（81）現日本クラウド産業協会会長＝神奈川

　▽瑞宝小綬章
　熊谷博（70）元情報通信研究機構電磁波計測部門長＝東京

　若菜弘充（70）元情報通信研究機構総合企画部統括＝東京。

喜びの声

社会課題解決へ精進

　田中稔一・元三井化学社長　身に余る光栄に存じます。ひとえにお取引先の皆さま、業界の皆さま、諸先輩など関係する全ての方々から頂いた温かいご支援、ご指導の賜物と心より感謝申し上げます。

　変化が速く激しい時代、化学産業は国際機関や産官学などとの共創を通じ、さまざまな社会課題解決にまい進してきました。今回の栄誉は私個人と申すより、関わってこられた各団体、当社グループ全ての皆さまに対してのものと受け止めています。先行き不透明な時代ですが、精進を重ね、微力ながら社会の発展に寄与できるよう尽力してまいります。

安心・安全な社会担う

　中本晃・元島津製作所社長　このたびは叙勲の栄に浴し、身に余る光栄に存じます。分析計測機器業界の皆さまをはじめ、長年ご支援いただいた協同パートナーの皆さま、お客さま、島津製作所グループ社員、ならびに関係各界の皆さまのおかげと心より感謝申し上げます。私は長年、分析計測機器業界に身を置いて産業の発展に貢献すべく尽力し、医用機器、産業機器などの事業を通じて人々が安心・安全で豊かな生活ができる社会づくりの一翼を担えたことを大変光栄に思っています。

情報通信の発展に努力

　濱口友一・元NTTデータ社長　このたび叙勲の栄に浴し、身に余る光栄に存じます。これもひとえに仕事を共にした社員、お客さまや諸先輩方のご支援・ご指導の賜物であり、皆さまに心から感謝申し上げます。

　わが国情報通信の黎明（れいめい）期からその開発に従事でき、技術の発展とともに歩んで来られたことはこの上ない幸運でした。社会のインフラをなすシステムや企業の根幹をなすシステムも開発することができました。今後とも情報通信の発展に寄与できるよう努力してまいります。