台湾の高速鉄道事業者から、日立製作所や東芝などで構成されるコンソーシアムが新型車両12編成（144両）を受注した。受注金額は約1240億円。JR東海の最新型「N700S」をベースとした車両を2026年から順次納入。輸送力の増強につなげる計画で、日本勢が磨いた高速鉄道の安全性と技術力を世界に示す好機となりそうだ。

　日立と東芝インフラシステムズが正式契約を結んだ18日、発表した。発注したのは台湾高速鉄路（高鉄）。

　台湾高鉄は、日本の新幹線システムを導入して2007年に開業し、台北と高雄間の350キロメートルを結んでいる。今回、新型車両を採用することで運行効率を高め、乗客の増加に対応する。

　納入する車両の1編成当たりの長さは、約300メートル。営業運転時の最高速度は、時速300キロメートルとなる。N700Sをベースとした車両は現在走行している「700T」よりも軽量で、空力特性にも優れているという。

　さらに機器の小型・軽量化や電力消費量の削減を実現するとともに、停電時も低速で自力走行が可能なリチウムイオンバッテリーを搭載するという。