2023.07.14 【電子部品技術総合特集】メイコー 石原正勝基板事業統括本部商品技術部長
石原 部長
高周波化対応など新規製品に力
部品内蔵基板の量産化に向け準備
メイコーは、プリント配線板の設計・製造技術を軸に、EMSやロボット・FAシステム・映像機器の設計・開発・製造なども手掛ける総合エレクトロニクスメーカーとして事業を拡大している。
石原正勝商品技術部長は研究・開発の取り組みについて、「これまで技術開発を進めてきた部品内蔵基板の製品は、量産化に向けた準備を進める。また、今期から取り組む新規製品にも力を入れる」と話す。
さらに、新規製品では「6G通信(第6世代移動通信システム)での高周波化に対応するための材料やプロセス開発に取り組む。車載では、高周波化に伴うノイズ対策要求の高度化に対応するため、キャパシターなどを活用したノイズ対策技術の提案に力を注ぐ」(石原部長)。
同社は、用途別に最適なプリント配線板開発を行い、高品質な製品を安定供給している。マザーボード用、スマートフォン用、半導体パッケージ領域など幅広い製品を手掛け、高密度・高周波対応、小型化、放熱対応などの技術を組み合わせることで、付加価値の高い技術提案を行う。
先端技術領域では、石巻第2工場(宮城県石巻市)にSAP工法(セミアディティブプロセス)を導入した。今後、半導体パッケージ基板を新たな事業の柱に育成していく計画で、同工場ではL/S=9マイクロメートル/12マイクロメートル以下のFC-BGA基板を生産する。石原部長は「これらのパッケージ基板技術に部品内蔵技術などを組み合わせていく」と説明する。
車載用基板についても、高周波化に向け、MSAP(モディファイド・セミアディティブプロセス)などの提案を進める。EV向けでは、高機能化や大電流化に伴う放熱要求の高まりに対応し、メタルベース基板、銅インレイ、メガスルーホール、厚銅基板をはじめとする各種放熱基板技術を組み合わせたハイブリッド構造も充実させている。
製品の小型化を進めることで、脱炭素化や省材料化への貢献も目指す。