2023.07.14 【電子部品技術総合特集】イリソ電子工業 三塚茂執行役員技術本部長
三塚 執行役員
社会課題解決に貢献へ
開発インダストリー向け拡大
イリソ電子工業は、自動車市場、産機市場、コンシューマー市場向けに、積極的な新製品開発を進めている。三塚茂執行役員技術本部長は、「R&D方針は社会課題の解決に貢献できる製品を開発すること。その中核に①少子高齢化社会への貢献②脱炭素/カーボンニュートラル社会への貢献を考えていく」と説明する。
市場別戦略では、「現在、売り上げの約8割を車載が占めるため、インダストリーやコンシューマーなど非車載領域を伸ばしていきたい。特に第2の柱としてインダストリー向けを成長させる」(三塚本部長)とし、車載品質で量産化した製品を産機やコンシューマー分野に展開し、品質をアピールしていく。「そのためにも、車載の新製品開発に積極的に取り組む」。
高齢化社会への貢献では、モビリティーや産機の自動化ニーズが強まる中で、「車載は、数年後の完全自動運転車に照準を合わせ、高速伝送対応BtoBコネクターの開発を強化しており、2022年に16ギガbps対応BtoBコネクターをリリースした」(三塚本部長)。PCIe4.0対応の32ギガbps対応フローティングBtoBコネクターの試作も進めている。
脱炭素関連では、車の燃費向上に向け、既存のワイヤハーネスコネクターからFPC接続への置き換えによる軽量化提案などに力を注ぐ。ロボットのスマート配線化にも展開する。
同社は、独自のフローティングテクノロジーにより、振動(共振)に強い3次元可動BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」を製品化。さらに、振動シミュレーションサービスを組み合わせた「耐振ソリューション」の提供により、顧客の開発L/T短縮に貢献し、高い評価を得ている。
日本の技術本部に加え、上海R&Dセンターでも製品開発や生産技術開発を実施。アライアンスや産学連携も積極的に実施している。使用する樹脂のバイオマス化などの研究も進めている。