2023.07.25 メタバースで入院患者と触れ合う 日本IBMと順天堂大が面会アプリを共同開発

メタバース内で非日常の面会体験を味わえるようにするアプリ(提供=日本IBM)

 インターネット上の仮想空間「メタバース」で入院患者と面会に訪れる人がコミュニケーションを深める―。日本IBMと順天堂大学は25日、そんな環境を実現する面会アプリケーションを共同で開発したと発表した。

 今回のメタバース面会アプリ「Medical Meetup」の対応端末はスマートフォン「iPhone」などで、31日からアプリストアで一般配信を開始。8月1日からは同大学医学部附属順天堂医院で入院する小児患者と家族に適用して使い勝手を評価し、改良に生かす。

 アバター(分身)となって仮想空間に入った患者と面会者は、リゾート施設などの「非日常空間」でリラックスできる。さらに、両者が気球に乗ったりビーチで動物と触れ合ったりするなど、疑似的な外出を通じて一体感やぬくもりを感じられるよう工夫した。

 入院患者にとって家族や親しい人との面会は貴重な機会で、ストレス軽減や癒しを与えるとともに、病気に立ち向かう力にもつながる。時間や場所に縛られないメタバースを有効活用して面会の可能性を広げる先駆的な試みとして、今後の展開に注目が集まりそうだ。

(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)