2023.07.28 【関西版】大阪シティ信用金庫が大阪・関西万博に参加
万博出展支援事業に取り組む、大阪シティ信用金庫の職員たち
大阪ヘルスケアパビリオン、府内の中小企業対象に出展支援
国内外に独自技術アピール
2025年開催の大阪・関西万博に向け、大阪シティ信用金庫(大阪市中央区、髙橋知史理事長)は、府内中小企業の大阪ヘルスケアパビリオン「展示・出展ゾーン」への出展支援事業に取り組んでいる。中小企業のポテンシャルを引き出し、国内外へ独自技術やサービスをアピールできるよう、さまざまな活動を進めている。
同金庫は、中小・スタートアップ企業から「健康な生活・快適な生活・サステナブルな生活」を実現するための製品・技術・アイデアを募集。6月末の締め切りまでに、想定を大きく上回る応募があったという。
同事業について、同金庫企業支援部の髙谷邦啓副部長は「自社の優れた点をどのように表現するべきか迷っている企業もある。万博で披露するプロダクトを中小企業自らが生み出すために、『気づき』となる材料を当金庫が提示していきたい」と思いを語る。
中小企業にとって、万博出展はまたとない大きなビジネスチャンスだ。関心を持つ企業は多い。しかし、最終製品を扱う中小企業はそう多くなく、うまく自社の技術をアピールできない点が課題となるケースも少なくないようだ。
さらに、2年後の万博会場で「未来感」を与えられる展示であることも欠かせないポイントとなる。髙谷副部長は「難しい取り組みだが、中小企業には先を見据えて開発を進めていただく必要がある。当金庫も個別に相談に乗りながら、アイデアをすり合わせていく方針だ」と話す。
ワークショップ開催
6月27日には、万博への出展を視野に入れる中小企業を対象に、研究機関の最新技術を体感するワークショップを開催した。奈良県立医科大学と神戸市立工業高等専門学校の研究者がプレゼンテーションするなど、府県を超えた取り組みだ。参加者からは「開発のヒントになった」「万博の出展を前向きに考える」と好評を得たという。今後は、年末に同ゾーンへの出展企業を決定する予定だ。
同金庫の万博出展支援事業において、これまでの独自の取り組みが大きな強みとなっている。2008年から、販路拡大事業を含む「シティ信金PLUS事業」を開始。取引先の中小企業と、関西に本社を置く大手メーカーや最先端の大学シーズとの間で、確度の高いマッチングを行うものだ。職員が中小企業から直接話を聞き、技術の特長を見極めながら、そのポテンシャルを掘り起こしている。
髙谷副部長は「当金庫の強みは金融支援だけでなく、販路拡大や人材確保、事業承継など、顧客の本業を支援するメニューの幅広さだ。社会の流れに先駆け、長年地道に取り組んできた」と語る。
産学連携を促進
今後も方向性は変わらないが、「産学連携をもっと促進する。府内外の大学や研究機関と取引先企業をつなぐことで、世の中に新しいプロダクトを生み出すお手伝いがしたい。大阪の中小企業との協働を考えている大学や研究機関は、ぜひ、当金庫に声を掛けてほしい」と髙谷副部長は力を込めた。