2023.08.09 【コネクター特集】ケル 次世代高速伝送要求対応に注力

 ケルは、コネクター事業では①フローティング②高速伝送③圧着などをキーワードとした新製品開発に注力している。今後も中期経営計画に基づき、高速伝送対応多極コネクターや防水圧着コネクターなどの新製品開発やバリエーション拡充を推進する。

 同社は、次世代の高速伝送要求に対応するコネクター開発を強化しており、開発中の224ギガbps(PAM4)差動伝送ケーブル用コネクター「HSPシリーズ」は、適合ケーブルAWG30(Twinaxケーブル)、信号は8ペア、差動インピーダンス100Ω。フローティングコネクターでは、PCIe5.0相当の信号速度に対応する「JBシリーズ」を開発中。信号用端子ピッチ0.5ミリメートルで、伝送特性はPCIe5・0相当の信号を想定。信号用端子は240極、電源用端子は8極。接続形態はスタック接続。フローティング量はXY方向プラスマイナス1.2ミリメートルの可動が可能。電源用端子は1端子につき10Aを予定。使用温度範囲はマイナス40~プラス125度(通電による温度上昇含む)。

 同社は、フローティングコネクター「DTシリーズ」のバリエーション拡充に力を入れている。0.5ミリピッチフローティングコネクター電源端子付きタイプ「DT-Eシリーズ」は、電源端子を4極搭載し、フローティング量はXY方向にプラスマイナス0.7/1.2ミリメートル。

 最大32ギガbpsの高速差動伝送対応の0.55ミリピッチ高性能同軸ハーネス「TSLシリーズ」は、ケーブル結線のバリエーション展開を図っている。

 ラックビジネスのノウハウを生かしたEMC対策用の「EMCキャビネット」も展開。熱対策用の「ヒートパイプソリューション」の技術提案も行う。