2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】フェローテックホールディングス マレーシア クリム工場 フェローテックホールディングス
マレーシア生産拠点(FTMM)の完成予想図
パワー半導体用絶縁基板の新工場を建設
フェローテックホールディングスは、ASEAN生産体制拡充のため、2023年中の竣工(しゅんこう)を目指してマレーシア北部ケダ州クリムで新工場を建設中。さらに同南部ジョホール州で24年8月以降の竣工を目指し、パワー半導体用絶縁基板の新工場建設を予定する。
マレーシアは、半導体関連の日米欧顧客の生産拠点が集積し、かつ中長期で各社の生産規模拡張が見込まれる状況だ。同社はマレーシアを重要エリアと位置付け、北部と南部にそれぞれ新拠点を構えることで、同地域におけるサプライチェーンのブロック化(地産地消)に対応していく。
ケダ州クリム生産拠点の「フェローテックマニュファクチャリングマレーシア(FTMM)」(山村丈副社長/FTMM CEO)の工場規模は、建屋延べ床面積約8万平方メートルで、23年中の竣工を計画(現地での竣工式は24年1月を予定)。24年4~6月期以降順次、量産を立ち上げ、25年には約1000人規模の体制を目指す。
ジョホール州に建設予定の新工場は、中国連結子会社の江蘇富楽華半導体科技股份有限公司(FLH)傘下を想定し、建屋延べ床面積約3万4000平方メートル。グループ会社の大泉製作所もタイ・チョンブリに温度センサー工場を有している。
ASEANでの主な販売品目は、半導体製造装置向け部材(石英、セラミックス)、サービス(金属受託加工、ロボット組み立て)、パワー半導体用絶縁基板。サーモモジュール、大泉製作所の温度センサー、東洋刃物の工場用刃物なども販売する。売上高は25年度以降年間数百億円規模を目指し、その後も大きな伸長を図っていく方針。重点拡販先は、米系半導体製造装置メーカーや日欧などの半導体デバイスメーカーなど。
工場建設に当たり、日本や中国の技術者と技能者(生産従事者)がマレーシア2拠点の生産立ち上げのサポートを実施予定。同社は中国生産拠点で製造現場の自動化・デジタル化が進行しているため、そのシステム・ノウハウをマレーシアに水平展開していく。