2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】イリソ エレクトロニクス ベトナム イリソ電子工業
ベトナム工場の外観
BtoBコネクターなど生産拡大
イリソ電子工業は、ベトナム・ハノイ地区に製造子会社「イリソ エレクトロニクス ベトナム」を展開。車載用を主力に、フローティングタイプを含むボード・ツー・ボード(BtoB)コネクターや、FPC/FFCコネクターを生産し、年々生産規模を拡大させている。
近年は車載を中心としたBtoBコネクターの生産が増加。中でもフローティングコネクターで実績を上げている。葛籠貫洋MD(マネージングダイレクター)は「2023年以降、BtoBコネクターの需要が拡大している。民生用のFPCコネクターなどはやや低調だが、BtoBコネクターの増加により、今期4月以降の売り上げは前年同期比約2割増のペースで推移している。特に欧州仕向けの車載製品が好調」と話す。
同工場はプレス、成形、めっき、組み立てを同一建屋内で一貫生産する自社完結型工場で、量産金型の設計も行う。組み立ては全てクリーンエリアで実施。アプリケーション別では車載が約8割を占める。工場規模は約3万6000平方メートルの敷地に建物面積約2万平方メートル。従業員数約900人。
「顧客第一を方針にQCDを重視している。日々生産性の改善に取り組み、ダウンタイムの改善、そして製造技術力の向上のための教育に力を注いでいる」(葛籠貫MD)。
生産性向上のため、アセンブリー工程内で外観検査も一貫して行える体制を構築。工程内でのカメラによる自動外観検査ユニット拡充で、生産性や品質の向上を図り、「生産スペースの有効活用や従業員1人当たりの生産性向上につなげている」(葛籠貫MD)。
22年からエンボスリールの内製化も始めた。23年中に内製率を5~6割程度まで高める計画だ。生産能力増強では、マシン増設に加え、タクトタイムの削減、高速プレスによるSPM向上などを追求する。
23年度の工場売上高は2割前後の増加を見込む。「24年度以降も全社方針に沿って2桁の売り上げ成長を目指す」(葛籠貫MD)。