2023.09.22 Moxa、産業無線の安定運用を支援
産業用WLAN製品として初めて「IEC62443-4-2 SL2」認証を取得したWi-Fi5対応「AWKシリーズ」
高信頼のWi-Fi環境提供
生産現場の過酷な環境想定
スマート工場や製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現のため、製造現場のネットワークにWi-Fiなどの無線技術を導入する動きが強まっている。
自宅やオフィスなどで用いる商用Wi-Fiと違い、機械同士の接続を主とする産業用Wi-Fiには、通信が途切れない「信頼性」やハッキング対策などの「セキュリティー」、長期間の運用を考慮した「使いやすさ」といった面が商用に比べ特に重要となる。
Moxaのクライアント、アクセスポイントシリーズは産業用Wi-Fiに求められる高い要求水準に向けた仕様。例えば、独自の基準でコンポーネントを選定し、故障が発生するまでの平均間隔時間は約60万時間で設計されている。
マイナス40~プラス75度、湿度95%以上での動作が可能で、EMCや耐衝撃・振動、防水・防じんなども生産現場の過酷な環境での使用を想定した仕様だ。
自動車メーカーにも
産業用無線の活用にはさまざまな課題がある。無人搬送車(AGV)を現場に導入する場合、外部の電波から干渉を受けると走行が停止してしまう恐れがある。原因を究明するには、APやクライアントからログをダウンロードして収集した後に解析し、エラーのシナリオを再現するなど解決には膨大な時間を要する。不安定なローミングで通信が途切れたり、切り替え時間がかかるなどの問題もある。
MoxaのAPとクライアントの「AWKシリーズ」はこうした産業用Wi-Fiを導入する際の課題に応えた。
産業用水準のEMC
産業用水準のEMC設計で、アンテナポートの電源を保護する絶縁化により、強い電気的ノイズの影響から製品を守る。静電気放電に対する耐性を評価する「ESDテスト」の「レベル4」をクリアした。
産業用で主流の周波数2.4ギガヘルツ帯以外の帯域の信号をカットする「バンドパスフィルター」を搭載し、独自のローミング技術でAP間の通信切り替えのハンドオーバー時間を150ミリ秒以下に抑えた。クライアントベースのため、他社製APでも高速ローミングが可能だ。
ワイヤレスネットワークを可視化するソフトウエアも用意。無線接続の状態を自動表示するダイナミックトポロジー、ローミングの状況把握や履歴確認ができ、通信量やワイヤレスデバイスの台数を表示するダッシュボードなど産業無線に特化した「可視化管理ソフト」を提供する。
FAや物流倉庫などさまざまな導入事例があるが、国内では大手自動車メーカーの生産設備を無線で制御するのにMoxaのクライアントを納入。ノイズの多い環境ながら安定した通信環境を提供し、採用拡大に至った。
今年初めにはWi-Fi5対応のシリーズを発売。産業用WLANとして初めて「IEC62443-4-2 SL2」認証も取得し、セキュリティー対応も強化している。
同社は28日に、産業無線技術のトレンドと成功事例を紹介する無料ウェビナーを開催する。
ウェビナーURL
https://attendee.gotowebinar.com/register/3067490540147790165?source=dempa-online