2023.09.27 【関西エレクトロニクス産業特集】大阪・関西万博パビリオンが順次着工 海外パビリオン建設遅れ挽回へ

海外勢で初めて建設許可申請を出したチェコのパビリオン(チェコ大使館HPから)

 開幕まで600日を切った「大阪・関西万博」。11日には日本政府館(日本館)の起工式が行われ〝万博の華〟ともいえる13の民間企業・団体によるパビリオンも7月以降、順次地鎮祭や起工式を行っている。

 海外からは153カ国・地域と8国際機関が参加の意思を表明しているが、パビリオン建設の着手までには至っていない。大阪市から建設許可を得た外国パビリオンは1件もない状況だったが、19日にチェコが、独自で建設するタイプAのパビリオンによる参加国として初の建設申請を大阪市に提出した。

 これまでに国内関係のパビリオンでは、日本館や民間含め27の建設が決定。民間企業・団体のパビリオンは計13件ある。うち三菱グループ、パナソニック ホールディングス、パソナグループ、日本ガス協会が22日までに地鎮祭もしくは起工式を終了。NTTパビリオンは11月、住友館は12月の起工式予定。

 建設が難航している海外パビリオンの種類は本来、タイプA、B、Cの3種類。しかし開幕に間に合うのか、との世論の高まりもあり、パビリオン建設を急ぎたい協会は窮余の策として、夏以降から協会が建設主となる簡易型「タイプX」を各国に提案開始した。タイプXは協会が建設費用を負担、内装・外装は参加国に任すパビリオン。2022年3月に閉幕したドバイ万博で日本が採用したのはタイプX。経済産業省によると、海外参加国で建設事業者の決定はまだ10カ国だが、参加国と建設事業者との調整は継続していくとの考えだ。

 協会の石毛博行事務総長は1日の会見で、Xタイプの当初の申し込み締め切りである8月末までに5カ国が関心を示していると語った。その後、協会関係者によると、20日時点でタイプXの採用決定は1カ国、希望する国は10カ国に増えた。この中には自前で建設するタイプAから移行した国もある。

 タイプCからXへの移行を検討する参加国も増えており、協会として決定までの過程での支援体制を強める。