2023.11.07 太陽光パネル、カバーガラス廃棄を防ぐ AGCが国内初のリサイクル実証成功
リサイクルのフロー
太陽光パネルの耐用年数は20~30年とされ、2030年代後半から年間数十万トンの廃棄が予想されている。このうちカバーガラスは全体の重量の約6割を占め、産業廃棄物として大量に埋め立て処理された場合は、深刻な環境負荷を引き起こすと懸念されており、社会課題にもなっている。
こうした中でAGCは7日、使用済みの太陽光パネルのカバーガラスをリサイクルする実証試験に成功したと発表した。板ガラス原料向けでは国内初。産業廃棄物の削減や原料の節減が可能となり、サーキュラーエコノミーの促進に貢献。温室効果ガス削減にもつながる。今後、さらに実証を進める予定で、ガラスからガラスにする「マテリアルリサイクル」として注目される。
太陽光パネルのリサイクルでは、シリコンや金属、樹脂などを取り除く技術が必要になる。また透過率を向上させるために製造時にアンチモンなどが加えられており、これらの含有状況を把握することも求められる。AGCは、品質を確保できるリサイクル事業者とも連携し、体制を構築する。
(9日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)