2023.11.16 業界初、「廃家電自動解体システム」開発 パナソニック、まずはエアコン室外機から

業界初となる「廃家電自動解体システム」を開発

 パナソニック くらしアプライアンス社は、パナソニック プロダクションエンジニアリング(PPE)、平林金属の協力の下、業界初となる「廃家電自動解体システム」を開発した。まずはエアコンの室外機で実証を図り、2~3年後の実用化を目指す。将来的には家電4品目の自動解体を目指す。

 今後、ますます増加すると考えられる廃家電、とりわけ普及台数の多いエアコンについて、現在人手に頼っている解体処理の効率化を図るため開発した。

 生産性向上と人手不足対策の両面で貢献する技術となる。投入から部品ごとの解体まで一貫処理可能なシステムとして、業界初となる。

 家電リサイクル工場では、高齢化社会の加速による労働人口の減少や、繁忙期に集中する作業負荷などの課題を抱えている。パナソニックでは20年以上にわたり使用済み家電製品のリサイクルを事業として取り組んでおり、今回家電リサイクル業界が抱える課題解決に向け、人手に頼ることが多い解体処理の効率化を機械化するというアプローチで技術開発に取り組んだ。

 技術開発では、生産設備の開発/提供に取り組むPPEがロボット技術などを用いて多関節ロボットアームや操作性に優れたUI(ユーザーインターフェース)などシステム全体の開発を担当。

 岡山県に大きな使用済み家電処理施設を構える平林金属が実証に取り組んだ。

 昨年12月に新開発のシステムを導入、室外機解体スピード76秒のプロセスは確立しており、解体タクト全体で90秒以下を目指し実証中だ。人手の3倍の効率を目指している。現在グループA4社(パナソニック、ダイキン、東芝、コロナ)のエアコン室外機のうち、機種全体の92%まで対応できており、今後全機種の対応を図る。

 また、2~3年後の量産化に向け、さらに細かい技術改良を重ねる。さらに将来的には家電リサイクル4品目の自動化を目指す。

(20日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)