2024.01.02 中韓台の首脳らが新年の所信 半導体供給網の役割など指摘

所信を発表する習主席(中国共産党のサイトから)

 新年に当たって、経済政策などを巡る所信が、中国や台湾、韓国の首脳らからも表明された。地政学リスクも意識して、サプライチェーンの重要性への言及も目立った。

 中国の習近平国家出席は「改革開放を全面的に深化させ、経済活力を高め、教育、科学技術、人材育成に一層力を入れる」と指摘。「温かく調和のとれた社会環境を作り、包括的で活発なイノベーション空間を広げる必要がある」とした。

 経済政策について、「中国経済は回復を続け、質の高い発展を着実に推進。産業システムはより洗練され、ハイエンドでインテリジェント、グリーンな新産業が急速に台頭している」と強調。長い努力の末、中国のイノベーションの勢いと発展の活力が急上昇している」とし、宇宙や海洋探査も例示し、自信を示した。

 一方、台湾の蔡英文総統は「台湾は世界と関わっており、世界も台湾と関わっている」と、サプライチェーンでの役割を指摘した。

演説する蔡総統(サイトから)

 「(中国と台湾の)両岸の経済・貿易関係は現在、より健全かつ秩序あるものとなっている。 中国市場への輸出依存より、(中国側の)台湾からのハイテク製品輸入への依存が大きい」と強調した。

 「台湾の半導体やハイテク産業は、世界のサプライチェーンの稼働を維持するのに不可欠なエンジン。 前例のないパンデミックと異常気象によってもたらされた多様化とリスク回避の必要性で、台湾は今後もより強じんな成長を続け、世界舞台で確固たる地位を築かなければならない」とアピールした。また再エネ投資などにも力を入れる方針を示した。

 韓国の尹錫悦大統領は「不動産融資など、経済を脅かす可能性のあるリスクを適切に管理してきた」と、不動産市況などへの取り組みを強調した上で、「経済活力を維持するため、企業投資を妨げる規制を廃止する」と強調した。

公式行事に臨む尹大統領(大統領府のサイトから)


(5日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です