2024.01.08 ニコン✕エヌビディアAIで家畜モニター 畜産現場の負担軽減に

システムのイメージ

 ニコンは、米エヌビディアのAI技術を使い、家畜のライブモニタリングシステムを開発した。牛の分娩の兆候をリアルタイムで察知し、従業員や獣医などのスマートフォンアプリに通知するシステム。システムはニコンソリューションズから発売され、担い手などが課題になっている畜産農家の負担軽減にも貢献する。

 ニコンは近年、映像ソリューション推進で、新規ビジネス創出のプロジェクトを複数立ち上げており、そこから生まれた新規事業の一つ。AIを活用した家畜のモニタリングというソリューションを考案した。

 畜産農家は牛の世話を24時間365日、休みなくする。母牛の安全な分娩の介助には多大な労力が必要。母牛はおよそ1年に1頭しか子牛を産まないため、安全な出産が重要になる。分娩予定日の1カ月ほど前から、分娩用の牛房に移動させ、予定日の10日ほど前から、分娩兆候がないか注視する。

 こうした母牛のモニタリングは、昼夜を問わない定期的な見回りや状態の確認が中心。身体的負担も大きく、スタッフの確保が大きな課題となっている。

 ニコンが今回開発した「NiLIMO」は、このような負担を軽減するほか、ニコンの画像解析技術とAI技術を生かしたソリューション。牛にセンサーなどを取り付ける必要がない。機器の洗浄や調整、メンテナンスなどの作業が不要で、牛のストレスも抑制できる。

(9日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)