2024.02.06 「あかり」のサブスク視野に 照明大手シグニファイ、来日したキーマンが日本市場を語る

日本市場について語るリー氏

取材に同席したシグニファイジャパンの大塚圭太郎社長と議論する場面も取材に同席したシグニファイジャパンの大塚圭太郎社長と議論する場面も

 照明の世界大手シグニファイがスマート照明の展開をグローバルで加速している。スマート照明の今後や、その普及の遅れが指摘される日本市場をどのように捉えているのか。全社的なコンシューマー事業の責任者であるロウェナ・リーコンシューマー事業CEOに話を聞いた。

—スマート照明普及の遅れが指摘される日本市場をどう捉えていますか。

 リー氏 日本の照明設置台数は1軒当たり17台と言われている。それに対して欧米は間接照明として使うこともあり、50台から100台。これだけの数があれば、制御したいというニーズが自然と出てくる。逆に日本は設置台数が少ないからスマート化しなくてもコントロールできてしまう。この違いがスマート照明の普及の差にもつながっている。スマートスピーカーの普及状況も日本は10%程度だが、欧米は30%程度と差がある。

 スマート照明のベネフィットを出すためには産業全体を盛り上げることが必要。単独で普及を推し進めるのは難しく、エコシステムを広げていくことが大切だ。

—貴社におけるスマート照明の今後の方向性は。

 リー氏 照明はソフトウェアでもある。欧州では(スマート照明の)「Hue」シリーズとしてセキュリティカメラをサブスクリプション(定額課金)モデルで提供するなど新たな取り組みも進めている。リーディング企業として、照明のサブスクモデルでも将来的にベネフィットを示したいと思っている。

 サブスクを広げるにはユースケースが必要だ。照明に関しては①アンビエント照明②映像との連動といったエンタメ性③安全性・見守り④ウェルビーイング――といった四つでベネフィットを示すことが重要だと思っている。

 ただ、サブスクモデルの確立がゴールではない。ハードとソフトの両方に強みを持つ当社だからこそできることだと考えており、全社的なビジョンの下、スマート化がもたらすベネフィットの一つとして提供できるようにしていきたい。