2024.02.21 中小製造企業向けSaaSサービス 山善が提供開始

「ゲンバト」への期待を語る岸田社長(提供=山善)

 山善は21日、人材不足やデジタル化に課題を抱える中小製造企業向けのサブスクリプションサービス「ゲンバト」の提供を開始した。図面管理や人材確保、M&A活用など10のデジタルサービスを用意。ユーザー企業は必要なサービスだけを選べるため、初期投資を抑えられるのが強みだ。2028年度には契約数7000件、サービス利用額10億円を目指す。

 ゲンバトは「製造現場にちょうどいいデジタルを」をコンセプトとし、安価な価格設定、小分けしたサービスから必要なものを選べるのが特徴。デジタル上でユーザー企業と仕入れ先メーカー、DXサービスプロバイダーをつなぐ。

 サービスとして、山善オリジナルの▽図面管理▽不良記録▽設備管理▽マッチングサービス「エンムスビ」―の4種に加え、パートナー企業による▽人材確保▽M&A活用▽写真・動画活用―を各2種、計10種を提供する。

 ゲンバトの手軽さをアピールするため、12月末までオリジナルサービス4種を無料提供する。今後はエンムスビの公募案件を増やすため、同社の仕入先メーカーの協力を得る。新たなサービスの開発などにも取り組む方針だ。

 山善の岸田貢司社長は「電気自動車(EV)への変革など、日本の製造業が大きな脅威にさらされる中、生産性向上が状況打破の鍵となる。ゲンバトは生産性向上に寄与し、中小企業の成長を後押しすることで、日本のモノづくりをエンパワーメントするサービスだ。『モノづくり大国・日本』としての存在感と技術力を示す支援ができれば」と期待を語った。

(23日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)