2024.02.27 日本企業、生成AI投資わずか2% レノボ調査、本格導入は24年から
レノボ日本法人の多田社長=27日、東京都港区
日本企業の約9割が2024年のビジネスに人工知能(AI)は不可欠と認識する一方、生成AIに投資したのは2%にとどまっていることが、パソコン大手のレノボが実施した調査で分かった。同社は「セキュリティーの担保に対する懸念が多いのが現状だが、2%という数字は好機」と捉え、官民ともに投資が広がるとみてAI戦略を強化する。
調査は23年7~10月にかけ、日本やインド、韓国、日本などアジア太平洋地域の12市場のIT企業のCIO(最高情報責任者)ら幹部900人以上を対象に、24年に向けたAI採用の課題や優先事項など尋ねた。
生成AIへの投資をみると、日本企業の79%が24年に投資を予定する一方、投資済みと回答したのはわずか2%だった。投資済みと答えたのは韓国が33%、インドが28%、ASEAN諸国が11%だったの比べ大幅に低かった。
27日に記者会見したレノボ日本法人の多田直哉社長は「これまではパブリックAIに近くセキュリティーの担保が障壁となっていた。企業が使えるプライベートAIが広がれば大きな転換になる」として、投資が進んでいない日本の状況を好機と位置付ける。今後、官公庁のほか、製造業や小売業、ヘルスケア領域を中心に投資が拡大するとみて、ソリューション開発と導入を加速させる「AIイノベータープログラム」を軸に提案を強化する方針。
(28日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)