2024.04.01 NTT西の北村社長が就任会見 信頼回復に向け企業風土の改革に取り組む
会見する北村社長
NTT西日本の北村亮太社長は1日の就任会見で、企業としてのガバナンス強化と情報管理・セキュリティの徹底を優先させ、信頼回復に向け企業風土の改革に取り組む考えを明らかにした。同社では森林正彰前社長が子会社の個人情報不正流失の責任をとって、3月末に退任している。
個人情報不正流失について北村社長は「(NTT)西日本だから起きたとは思わない。杜撰な管理をしておればどこでも起きる」と述べ、データの受け渡し経路を徹底的に見直し、24年度にはシステム面での代替手段を開発し、25年度から運用したい意向を明らかにした。情報セキュリティ推進のための体制づくりでは7月に新組織をつくり再発防止に全力を挙げる。
北村社長は就任に際し、自身の経営観として渋沢栄一の言葉を引用、「道徳なくして経済なし 経済なくして道徳なし」を経営の根底に置き、安定した経営基盤の確立に努めたいと語った。
安定した経営基盤確立に向け、北村社長は光サービスの競争力強化などの顧客基盤の維持・拡大、スタートアップ育成のための施設「QUINTBRIDGE」での事業共創、電子書籍配信事業「NTTソルマーレ」含むグループ会社の事業拡大、法人事業の強化、サービスのシンプル化などによるコスト競争力強化を推進していくと強調。
また全売上げに占める非通信分野の比率を25年度には50%という従来の目標は維持する。大阪・関西万博ではNTTグループパビリオン全体でIOWN(次世代ネットワーク構想)を前面に出し、社会実装を支えていきたい、との考えを述べた。