2024.04.11 BIE事務局長が会見 ロジスティクス面で日本側に要望
大阪市内で会見するケルケンツェス事務局長
万博を所管する博覧会国際事務局(BIE、本部=パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長が大阪・関西万博開幕を1年後に控え、精力的に日本で活動している。
10日はドイツパビリオンの起工式参列や、万博会場に近い大阪府庁咲洲庁舎で吉村洋文大阪府知事や横山英幸大阪市長らと意見交換。
11日午前には大阪市内で日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長とともに記者会見に臨んだ。
ケルケンツェス事務局長は万博工事の進捗状況について「進捗状況は著しい」と満足気だが、ロジスティクス面では厳しい注文。会場の建設現場や会期中の各国パビリオンでは日本人や外国人スタッフが多く就労する。
カナダパビリオンは先日、接遇や調理などで約50名のスタッフを自国から送り込む計画を明らかにしている。
同事務局長をこうした就労者の待遇や補償について「給与、健康保険、税制など現場の就労者が安心して働けるようロジ面でのサポートをしっかりお願いしたい」と日本側に要望した。
石毛事務総長は事務局長の要望に対し「スタッフが快適感を持って通勤・就労できるよう住居面も合わせてワンストップで対応できるシステムを整備する環境をつくりたい」と応じた。
建設事業者が決まっていない国が多いという指摘について同事務局長は「6月には多くのパビリオンが完成状態にあると信じる。日本政府によるなんらかのバックアッププランもある。建設といっても簡単な構造なら十分間に合う」と楽観視。
「むしろ万博運営の難しさはロジ面にある。(難易度で)建設は20%だが、ロジは80%を占める。同時に多くの就労者や来場者がスムーズにアクセスできる交通環境の整備を」と同事務局長は強調した。
25年の万博に行かないという人が多いというある調査結果について同事務局長は「オリンピックやFIFAワールドカップの例でもわかるように間際になれば関心が高まる。大阪・関西万博は歴史を運んでくれると思う」と自信を示した。