新型コロナウイルスの感染拡大の影響で演歌歌手が店頭キャンペーンなどファンとの交流ができない状況下、各アーティストがSNSなどを活用する動きが増えている。最近ではインスタグラムやYouTubeなどを活用し、ファンと接触。つながりを持つ機会をつくっている。

　テイチクエンタテインメントの杜このみは、インスタライブでファンとの交流を進めている。キャンペーンの機会がなくなっている中で、自宅で楽しんでもらえることを何か始めたいと考え企画した。

　インスタライブでは、特定のテーマをあえて決めず、ファンからの質問などに答えて進行するという内容。4月下旬に実施したインスタライブではゲストに津軽三味線の土生みさお氏を迎え、生配信を実施。津軽三味線の生演奏を披露し大盛況だったという。

　ファンからは「自然体でアットホームな雰囲気が、ステージと違い楽しかった」と好評。今後も様々な企画を考えて展開する予定だ。公式YouTubeチャンネルでもいろいろと配信を企画する。

　6月17日には新曲「郷愁おけさ」を発売予定。杜は「聴いてくださる方の心に届くよう、精いっぱい歌わせていただきます」と語る。

　ソニー・ミュージックダイレクトの石原詢子はコンサートが延期・中止となり始めた3月上旬に、ファンと交流できる機会をつくりたいという思いでインスタライブを企画。同月8日にインスタグラムで生ライブ配信に初挑戦。視聴者から多くの反響があり、4月18日にも実施した。

　配信ではトークを中心に進行。イラストを描き、視聴者がそのイラストの内容を当てるクイズなども実施。クイズの当選者にはプレゼントを提供するなどして盛り上げた。逆に視聴者が参加できる企画も設け、家の中にいる時間を共有できるイメージで進行した。

　昨年12月には新曲「ひとり酔いたくて／大阪おかん」をリリース。ブログなどもスタートしており、SNSでファンとの交流を増やす。

　徳間ジャパンコミュニケーションズの葵かを里は、YouTubeにて新曲「しぐれ高山」の歌唱レッスン動画を配信している。4月23日からスタートしており、ファンからも好評を得ているという。

　しぐれ高山は同月1日に発売したデビュー15年、15作目のシングル。オリコン演歌チャートで週間第1位に輝き、「五山の送り火」「雪の兼六園」に続いて3回目の1位を獲得。今回はファンに情報を発信する機会を持つ意味でもレッスン動画を公開した。

　10分弱の動画で、1コーラスを歌唱した後、曲の背景を紹介。歌唱ポイントを説明しながら、歌う上での注意点も解説。加賀友禅特使を任命されている葵だが、石川の地元の人からも「早速聞いた」と好評を博していた。