2024.04.26 三菱電機、3月期連結は5%増収・営業益25%増

漆間 社長漆間 社長

増田 CFO増田 CFO

 三菱電機の2024年3月期連結決算は、自動車機器が大きく改善し、売上高が前期比5.1%増、営業利益が同25.2%増となったほか、各利益項目が増益となり、売り上げ、利益ともに過去最高を更新した。価格転嫁や各種改革が成果になり全事業領域で営業黒字を達成した。

 26日の会見で、漆間啓社長CEOは「重点成長事業のFAが市況の変動を受けたが、自動車機器事業をはじめ収益性と効率性の努力が上がり、全セグメントで営業黒字となった」と述べた。

 社会システムや電力などのインフラ分野は総じて堅調に推移した。営業利益は防衛宇宙で大型案件の獲得や案件変動により黒字化した。インダストリー分野はFAが苦戦したものの自動車機器は半導体部品の需給状況の改善などで大幅増収。営業利益は自動車で価格転嫁の効果が出て黒字化した。

 ライフ分野はビルシステムの需要回復が国内外で継続。空調は欧州とアジアが増加した。営業利益はビルシステムでの土地売却や空調・家電での物流費の改善効果が出た。ビジネス基盤分野はデジタルトランスフォーメーション(DX)領域が増え増収に。セミコンダクター・デバイス分野はパワー半導体で産業、自動車、電鉄・電力向けが伸びた。

 今期の連結業績は増収増益を見込み、24年3月期に続き過去最高業績の更新を目指す。為替は足元よりも円高になるとみており、増田邦昭常務執行役CFO(最高財務責任者)は「為替影響を除くとライフとインフラは増収になる見通し」とした。引き続き収益性と効率性を高める施策を打っていく計画だ。