2024.05.16 NTT、インフラ支援へ新技術 埋設管路計測と鋼材腐食推定

 インフラ設備の老朽化が社会問題となる中、NTTは、デジタルの力を活用した新技術で維持管理の支援に乗り出した。地中内にある管路の形状と埋設位置を高精度に計測する技術と、画像から鋼材の腐食を検出し状態を推定する画像認識技術を確立。人手不足が進む現場の負担軽減と維持管理コストの縮減を目指す。

 埋設管路の可視化技術は、赤外線を活用したTOFカメラと、物体の回転や向きの変化を検知するジャイロセンサー、機械的な移動量や方向をセンサーで測位するエンコーダで構成する計測装置を使用。この装置で管路の始点から終点までの点群データを連続的に取得しつなぎ合わせることで管路全長の形状を3次元で可視化する。

 今後は電力、ガス、水道管への技術展開を進め、地中設備全体のデジタルデータ化を目指す方針。

 一方、鋼材の腐食推定技術は、デジタルカメラで撮影した鋼構造物の画像から自動的に腐食を検出し、独自のデータベースを用いた機械学習モデルの構築により鋼材断面の欠損量を高精度に推定する。

 構造物の鋼材の厚さを定量的に把握できるようになるため、残存する耐久・耐荷性能を正確に診断できるのが特長。24年度中に実用化を予定し、橋や鉄塔、ガードレールなどにも適用を進め、社会インフラ全体の維持管理コスト縮減につなげたい考えだ。(17日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)