2024.11.27 落合陽一氏「万博の進捗は7~8割」 AIを自分の鏡に

登壇者のデジタルヒューマン同士が会話した

自身のデジタルヒューマンと会話する落合氏自身のデジタルヒューマンと会話する落合氏

3Dモデルを作成する3Dモデルを作成する

左から落合氏、原社長、佐々木CEO左から落合氏、原社長、佐々木CEO

 残り約140日に迫る日本国際博覧会(大阪・関西万博)。テーマ事業プロデューサーを務める落合陽一氏が、自身の手掛けるシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」の進捗について、7~8割程度完成していることを明らかにした。

 落合氏は共同で企画を進めるマクニカ主催の展示会「MET2024」で講演に立った。パビリオンの目玉となる人間の姿や発話をAI(人工知能)で再現した3Dモデル「デジタルヒューマン」同士の会話も披露。

 「ヌルヌル」のテーマは「いのちを磨く」で、鏡がメインのモチーフ。パビリオンの建物自体が鏡面状の膜材で覆われている。同時に、「デジタルの鏡」として来場者が自らのデジタルヒューマン「Mirrored Body」(ミラード・ボディ)」を作れるようにする。

 落合氏は「(ミラード・ボディで)人間は自分自身のAIと対話しながら意志決定するようになる」と語った。

 LLM(大規模言語モデル)と個人のデータベースを学習させるRAG(検索拡張生成)を活用することで、将来的には自分を模したデジタルヒューマンを持つ社会になると同氏は考える。そこで、来場者50万人を対象とした社会実験を万博の場で行う。

 講演では、登壇したマクニカの原一将社長やビジネス映像メディアを運営するPIVOT(東京都渋谷区)の佐々木紀彦CEO(最高経営責任者)を含めた3人のデジタルヒューマンも披露。デジタルヒューマン同士で会話する場面もあった。

 デジタルヒューマンが保持することになる個人情報を保護するシステムとして、カード型のハードウォレットも発表。個人情報の暗号化を解除する機能を持つ。イベントではハードウォレットの先行販売も行った。