2024.12.13 【EMS特集】カトーレック グローバルで同一品質・サービス

新高松本社工場の完成イメージ

 カトーレック(東京都江東区)は、EMS事業とロジスティクス事業を展開し、EMS事業が売り上げの約70%を占める。同社のEMSは設計から資材調達、製造、物流までを自由に組み合わせることができる。

 EMS製造拠点は国内(高松、松山)、中国(蘇州、広州)、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、メキシコ(ティフアナ、グアナフアト)、インド(プネー、合弁)の合計9カ国12拠点を設けている。

 各工場は多品種少量生産にも対応できる生産体制を築き、いずれの工場で生産しても同一品質・サービスを提供する「グローバルプラットフォーム」を追求する。

 生産品目は家電・事務機器、車載関連機器、住宅設備、産業機器、医療機器、航空・宇宙と幅広い。顧客の近くで対応するのが基本方針で需要をみながら最適地を選択。顧客の生産拠点変更にも柔軟に対応できるのは強みとなる。

 近年は、ベトナムやインドネシア、フィリピンの各工場を拡張して生産体制を強化してきた。国内では、新高松本社工場(高松市)の建設を進めている。敷地面積は約1万840平方メートル、鉄骨造4階建てで延べ床面積は約2万1640平方メートル。2025年3月の竣工(しゅんこう)、同年5月から順次稼働していく予定。グローバルEMSセンターも移管する。

 顧客サイドでは、従来以上にEMSへの要望が高まっている。同社は受託製造の役割を踏まえ、技術サポート体制を強化してきた。

 23年5月には車載を中心とした回路設計やシミュレーション技術を持つアルティメイトテクノロジィズ(長野市)の株式83.7%を取得し、デザインイン(顧客との共同開発)の側面を強化した。これは設計支援、試作品開発を行い、量産受託につなげる取り組みの一つとなる。

 人材面では、技術力・部品提案力向上のためにエンジニアの中途採用を進めるとともに、4月には大手メーカー出身者を技術担当役員に採用するなど、量産設計の強化も進めている。