2025.01.10 【放送総合特集】放送機器各社 25年の戦略 シンクレイヤ 山口正裕代表取締役社長

山口 社長

デジタル投資を積極的に推進

新技術開発など取り組む

 通信サービス業界においては、ニーズが高まり続ける高速かつ大容量のインターネット接続サービスが、また、放送サービス業界においてはIP放送のリアル/アーカイブ配信の拡充がそれぞれ進んでおり、通信設備の増強に対して引き続き投資されるものと考えている。

 当社はこうした需要に応えるべく、生産設備の増強や技術開発、デジタル投資などを積極的に推し進めている。その一環として、新たな技術開発拠点「SYNC Labo(シンク ラボ)」を昨年開設した。

 当社ではこれらのリソースを最大限に活用し、超高速/大容量の光ファイバーを核とした伝送システムや統合管理システム、有線・無線を問わず自社製ネットワーク機器、さらにはXRやWi-Fiセンシング、AI(人工知能)といった新技術の開発などにも取り組み、領域の拡充、販路拡大および生産性の向上を目指している。

 具体的には、他社に先駆けて最新の「50G-PON」製品を市場投入し、XGS-PONや10G-EPONの製品群と併せて提案する。

 また、WDM装置やコアネットワーク装置などの納入実績を増やし、新しいビジネス機会の創出を進めていく。さらに、人口密度の低い地域で効率的なサービス展開を実現する「分散サブセンター」のほか、地域DXの一環となるAR(拡張現実)を活用したスタンプラリーや「地酒AR」などを提案し、多様な課題に応えていく。

 一方、諸事情によりFTTHに移行できない施設に対しては、従来のHFC製品の提供およびサポートを継続的に行っていく。

 当社製品やシステムを末永く使ってもらえるよう、安心できる仕組みづくりに努めていく。

 当社は、新しい技術の実用化により、事業者の要望や消費者ニーズに応じた製品・サービス開発を推進し、質の高いソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献する。