2025.02.19 半導体商社20社、4~12月期は6社増収 在庫調整響き苦戦目立つ

半導体商社の2024年4~12月期決算

 上場する半導体商社20社の2025年3月期第3四半期(24年4~12月)連結決算は、産業機器向け半導体・電子デバイス市場の回復遅れや在庫調整が継続し、増収は6社にとどまった。ただ、車載やデータセンター(DC)向けでは伸びも見られ、AI(人工知能)関連需要も好調だ。

 主要20社の4~12月期合計売上高は前年同期比1.4%減、営業利益(19社)は同25.1%減。純利益の増益は8社だった。

 最大手のマクニカホールディングス(HD)は集積回路・電子デバイスその他事業の売上高が前年同期比6.2%減、営業利益は同48.1%減となった。産機は半導体製造装置や医療機器などで調整局面となった一方、電動車化の流れで車1台当たりの半導体需要が伸びた。AIサーバー向けも増えた。

 レスターはデバイスビジネスユニット(BU)の売上高が同10.1%増、セグメント利益は同12.7%減。民生向け売り上げの伸び、電子機器受託製造(EMS)事業の業績改善が寄与したが、8~9月の円高や産機の回復遅れが影響した。

 加賀電子の電子部品事業は売上高が同3.2%減、セグメント利益が同20.9%減。在庫調整や特定大口顧客向け取引終息などの影響で低調だった。

 トーメンデバイスは主力のメモリーで売上高が同22.4%増となった。生成AI普及拡大の恩恵を受けるDC需要がけん引した。

 24年4月に発足したリョーサン菱洋ホールディングスのデバイス事業の売上高は、子会社であるリョーサンと菱洋エレクトロの前年同期の単純合算と比べ19.4%減、営業利益は同59.3%減。各用途で在庫調整局面が続いた。

 萩原電気ホールディングスのデバイス事業の売上高は同18.7%増、営業利益は同6.1%減。半導体や電子部品の需要は伸び悩んだが、新たな商流獲得や円安効果で増収となった。

 通期予想は、20社合計で売上高が前期比1.4%増、営業利益(19社)は同23.8%減、経常利益は同16.9%減、純利益は同16.3%減の見込みだ。