2025.02.27 【複合機&プリンターソリューション特集】リコー A3カラー複合機新型 ADF技術と搬送技術で不定形サイズなどに対応

RICOH IM C3010SD

 リコーは、同社のADF(自動原稿送り装置)技術と、業務用スキャナー世界でシェアトップのグループ会社、PFUの用紙搬送技術を組み合わせたA3カラー複合機の新製品を発売した。「SD(Seamless Digitalization)」をモデル名称として採用した。

 新製品は、A3カラー複合機の「RICOH IM C6010SD」「同C4510SD」「同C3010SD」の3機種。PFUの特殊紙・カード・不定形サイズまで幅広いメディアを安定して搬送するストレートパス搬送技術とリコーの幅広いメディアの混載時のサイズ、傾き、向きを自動で補正して画像を配信する画像補正処理技術を組み合わせることで、シナジーにより提供価値を高めている。アプリケーション連携、折り・とじ機能、最新のセキュリティー対応とともに、環境性能など強化している。

 原稿に負荷をかけにくいストレートパス構造の1パス両面ADFを搭載し、これまでのADFでは、通紙が困難だったノンカーボン紙(複写紙)やカード類をADFで読み取ることが可能。これにより、業種業務固有の専門帳票の電子化を促進。

 レシートや領収書などの不定形サイズ帳票の混載スキャンにも対応し、サイズを指定することなくADFからさまざまな帳票の一括読み取りができる。

 「人手不足対応、DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上、さらにセキュリティー確保が、中堅・中小企業の抱える経営課題となっている。また、特殊原稿が一定数存在し、電子化作業の障壁となっている。新たなエッジデバイスの提供が必要だ」と、リコージャパンのデジタルサービス企画本部オフィスプリンティング事業センターの三浦克久センター長は話す。

 また、A3カラー再生複合機「RICOH IM C4500F CE」「同C3000F CE」を環境循環型複合機として販売を開始した。部品リユース率を高め、搭載ソフトウエアをバージョンアップすることで、新製品同等に機能を備えている。名称をCE機(サーキュラーエコノミー機)とし、循環型社会、脱炭素社会の実現への貢献を目指している。質量比で従来機の81%のリユース率を上回る平均86%の部品リユース率を実現。CO₂量を「J-クレジット」制度を利用してオフセットする「RICOH カーボンオフセットサービス」にも対応している。

 同社では「リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ転換」(リコーデジタルプロダクツビジネスユニット・成海淳WP事業本部事業本部長)していく製品と位置付ける。

 スクラムパッケージ、スクラムアセットのスクラムシリーズが好調で、2024年度も金額ベースで前年同期比30%の伸びを見せている。リコージャパンでは業種業務に合わせた改善提案を担うAIエバンジェリストを育成、「使える・使いこなせるAI」の販売を強化する。