2025.03.18 生成AIでAPI実装を迅速化 アンチパターンが新機能提供

新機能「Smart API Gateway」

実装時間の大幅な削減に効果的実装時間の大幅な削減に効果的

 ソフトウエア開発支援などを手掛けるアンチパターン(東京都港区)は、異なるシステム間でデータをやりとりするための窓口「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の実装を約60分で行える新機能の提供を始めた。生成AI(人工知能)を生かした機能で、API活用を強力に後押しする。

 多くの企業が業務の効率化に向けてソフトをインターネット経由で提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を導入。その拡張性を高める役割を担うAPIに注目が集まっている。

 こうした中で用意した新機能が、生成AIを用いる「Smart API Gateway」で、SaaS開発支援プラットフォーム「SaaSus Platform」で提供する。

 具体的には、APIの開発・公開プロセスを効率化し、相互運用性を強化。API公開に必要なインフラや認証機能も自動で提供し、手軽に安全なAPIを外部公開できるようにする。

 従来の方法でAPIを実装すると、さまざまな機能が必要となるため、約990時間もの実装時間を要していた。

 新機能を使うと、ソースコードの記入で10行程度、アップロードしSaaSus Platformがコードを解釈する時間も30分程度と短い。その結果、APIをわずか約1時間で公開できるようになり、提供までのリードタイムの短縮につながる。

 同社は、自律的に仕事をこなす「AIエージェント」がAPIやSaaSを操作し業務を遂行するという展開も視野に入れる。こうした動きが広がると、API需要の拡大にもつながる。

 SaaS比較サイト運営のスマートキャンプが公開する「SaaS業界レポート 2024」に掲載された1226のサービスを対象にAPI公開状況を調べたところ、1080の国産のうち42.3%はAPIが何らかの形で利用可能な状態だった。国産に占めるAPI公開率を見ると14.7%にとどまった。一方で、海外製品での公開率は86.3%と高く、日本がAPI利用で海外から大きく引き離されている実態が浮き彫りになった。

 アンチパターンの小笹佑京代表取締役は調査結果を踏まえ、「API需要は伸びていることから、このギャップを埋める取り組みが必要だ」と強調した。