2025.03.26 【関西エレクトロニクス産業特集】きんでん 人財育成に力、技術・技能を伝承

郡安 選手

 きんでんは人財を軸とした成長投資を重視している。教育施設のきんでん学園ではこれまで多くの技術者を輩出してきた。昨年9月にフランス・リヨンで開催された「第47回技能五輪国際大会」では、再生可能エネルギー職種(以下、再エネ職種)で郡安拓海選手が金メダルを獲得。今後も人財育成に注力し、技術・技能を伝承する方針だ。

 日本が初めて参加した1962年のスペイン大会以降、同社からは電工職種・情報ネットワーク施工職種・配管職種・再エネ職種あわせて20人の選手が出場。技能五輪国際大会の同社選手の金メダル獲得数は今回で12個。同大会に出場した選手は8人連続での金メダル獲得となった。

 郡安選手は2021年入社。学生の頃に高校のOB訪問で同社の先輩が来校した際に技能五輪国際大会を知り、同社への入社を決意した。入社後は、きんでん学園で鍛錬を重ね、各種技能大会に出場。一昨年、愛知県で開催された技能五輪全国大会の電工職種で銀メダルを獲得した。その経験を生かし、技能五輪国際大会の再エネ職種に臨んだ。

 昨年の1月から練習を開始し、電力本部や技術本部などさまざまな部署と連携しながら鍛錬を重ねた。フランスでの4日間競技では再生可能エネルギーに関する①設置②保守③設計④運用の四つの課題に挑戦。競技では初めて見る測定器や材料、工具もあり苦戦したがきんでん学園で学んだことを生かし、平常心で臨んだ結果、金メダルを獲得した。「後輩にも表彰台に上がった景色を味わってほしい」と郡安選手はいう。

 同社ではさらなる人財育成、ひいては事業基盤の強化のため、きんでん学園の移転・建て替えを進めており、26年度中の完成を目指す。