2025.04.16 ルンバ、新CEOのもとでラインアップ刷新 24年は構造改革、今年は投資の年に

顧客の声を取り入れ、新機能を搭載した

コーエンCEOコーエンCEO

挽野社長挽野社長

 アイロボットジャパンは、ロボット掃除機「ルンバ」のラインアップを刷新し、18日から新製品6機種を日本市場で発売する。普及、ミドルレンジ、フラッグシップの3カテゴリーでターゲットを明確に示すことで、より自分に合った製品を顧客が購入できるようにする狙いだ。昨年4月にCEO(最高経営責任者)に就任したゲイリー・コーエン氏とともに構造改革を進めてきた米アイロボット。マーケティングや技術開発に注力し、日本国内では2030年までに20%のシェア獲得を目指す。

 新製品は、従来機よりもターゲットを具体的に想定して発売する。単身世帯やコスト重視層向けの「ルンバ」、子育て世代や複数の部屋がある家庭向けの「ルンバ プラス」、ペットオーナーやカーペットを敷いている部屋が多い層には「ルンバ マックス」シリーズを展開する。

 各製品に共通の新機能は、ライダーセンサー「ClearView LiDAR」だ。ゴミの認識も早くマッピングの精度が高まった。ライダーでは間取りの認識ができるため、部屋ごとの掃除計画の設定が可能。

 小型化も進む。普及クラスの「ルンバ 205 ダストコンパクター コンボ ロボット」(公式オンラインストアで税込み5万9200円)には機械式ゴミ圧縮機能を搭載。充電ステーションのゴミ収集機能をルンバ本体に組み込み、設置スペースを抑えた。

 水拭き需要にもより一層応える。ルンバ プラスシリーズには、同社初の大判円形のモップパッドを採用。普及機とともに、人が水拭きをするような前後に擦る動きを再現するモードも選べるようにした。「ルンバ プラス 505 コンボ ロボット+オートウォッシュ 充電ステーション」(同12万8400円)は、パッドが本体から少し飛び出て壁際を掃除する。

 今回の新製品は、24年から準備していた製品開発や市場展開の構造改革が形になったもの。

 製品化速度を高めつつ優れた機能を実装するために、アジア圏の開発パートナーとの連携を強めて共同開発やOEM(相手先ブランドによる製造)を活用した。16日の発表会に登壇したコーエンCEOは「このスピード感は今までにない」と力を込める。

 昨年3月までに日本国内で同社ロボット掃除機の累計販売台数は600万台を突破。世帯普及率10%を達成したが、ロボット掃除機の普及には依然として伸びしろがある。

(18日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)